上場していない中小企業が仮想株式を社員に渡し、業績に応じて報酬を出す新たな取り組みが注目されています。
■未上場企業のユニークな制度導入
春闘の最新集計結果 この記事の写真8日に発表された春闘第5回集計によると、企業の賃上げ率が全体で5.17%、中小企業は4.66%となりました。
仮想株式の導入中小企業の賃上げが注目されるなか、都内の広告デザインなどを手がける未上場の企業は賃金のベースアップだけに頼らず、とあるユニークな制度を導入しています。
TMC 新規事業ディビジョン 五老海紘さん「こちらが今いただいている株の権利個数、いわゆるポイントというやつですね。仮想のポイント(株式)」 社内での仮想株式発行
社内で仮想の株式を発行して、社員に付与するという新たな還元制度です。
五老海さん「いくらもらえるんだという実感が非常に分かりやすい。そういう意味では非常にやる気が出る仕組み」
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■仮想株式「モチベーション向上への影響も」■仮想株式「モチベーション向上への影響も」
仮想株式の仕組み中小企業の賃上げに注目が集まるなか、上場していない企業が半年ほど前から導入しているのは「社内で仮想株式を発行する」という新たな還元制度です。
五老海さん「この株価が業績に連動して、株価の価値が付く。仮想株式が6.33円で、ポイント数が627ポイント。掛け算すると、現在の金額が3968円になる」 退職時の仮想株式は消滅
仮想株式とは、社員に対するボーナスの一種です。
まず役職などに応じて、ポイントが社員に付与されます。会社の業績が上がれば株価も上昇。それに伴い、ポイントの価値も上がり、現金化することもできます。
TMCでは「現金化できるのは付与から3年後」という条件を付けていて、現金化する前に退職すると仮想株式は消滅する仕組みになっています。社員はいつでも保有ポイントを確認することが可能なため、モチベーションの向上にもつながっているといいます。
社員のモチベーション向上効果も 五老海さん「いくらもらえるんだという実感が非常に分かりやすい。そういう意味では、非常にやる気が出る仕組み」
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■仮想株式「社員の退職防止に効果的」■仮想株式「社員の退職防止に効果的」
メリットを受けているのは、社員だけではありません。
TMC 村田隆雄社長「今まで『役職が上がるのが嫌だ』とか、『責任を植え付けられるのが嫌だ』という声があったが、役職が上がればメリットが発生することで、役職拒否もなくなった」 社員の退職防止に効果的
この制度を提供する会計事務所によると、仮想株式の導入は社員の退職防止にも効果的だといいます。
南青山アドバイザリーグループ 仙石実CEO「1名退職すると、約500万円のコストがかかると言われています。そういう意味では、1名の方が3年・5年残っていただく時、数十万円を渡したとしても、経営者にとっても非常にメリットが高い」
(「グッド!モーニング」2024年5月14日放送分より)
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