SNS上でコンサートチケットを販売するとうその投稿をし、女性から現金をだまし取ったとして女が逮捕された事件。被害者らが関西テレビの取材に応じ、その悪質な手口が明らかになりました。

警察車両に乗り込む女。詐欺の罪で逮捕・起訴された鶴田彩花被告(31)です。鶴田被告の手口は「チケット転売詐欺」。

■鶴田被告にだまされたという男性 「返金する」と言いながら理由をつけて返金されず

起訴状などによると去年1月、SNS上でアイドルグループのコンサートチケットを販売するという内容を投稿。しかし実際にはチケットを持っておらず、京都市の女性(20)から7万5000円をだまし取った罪に問われています。

高倍率のコンサートチケットの抽選に外れてしまったファンの心理につけ込んだ詐欺の手法。

鶴田被告にだまされたと訴える男性から提供を受けたSNS上での鶴田被告とのやり取りがあります。男性は去年2月、チケット代として鶴田被告に3万7000円を支払いました。ところが…

【鶴田被告からのメッセージ】「友人が急きょ行けることになったらしくて、チケットをお譲りできないと言われてしまいました」「今すぐ返金でもいいでしょうか?」

チケットを渡せなくなったので、今すぐ返金したいとメッセージを送った鶴田被告。しかし、その後…

【鶴田被告からのメッセージ】「支払いと重なって残高不足でした」

さまざまな理由をつけて返金できないという連絡を繰り返し、被害にあった男性は結局“泣き寝入り”せざるを得ませんでした。

■鶴田被告は本物の身分証などで信じさせ、返金に応じることも それも手口か

鶴田被告とやりとりをした女性は、“信じてしまう理由”について次のように話します。

【鶴田被告と取引した女性】「銀行口座も鶴田名義。住所とか保健証とかも全部本物で、堂々とやっているので信じやすい」

この女性は多くの被害者と情報を共有してきました。この女性はチケットの代金を返金されましたが、それも鶴田被告の手口だといいます。

【鶴田被告と取引した女性】「私の感覚ですけど、(被害者の)半分ぐらいは返金されているイメージですね。返金する気があるものを、まだしていないだけっていう(スタンス)」

鶴田被告はあくまで返金ができていない「債務不履行」の状態であると主張するため、返金をした実績を作ったというのです。

また、被害者側も「転売チケットを購入しようとした」といううしろめたさがあり、公にしたくないという心理も働いていたと指摘します。

【鶴田被告と取引した女性】「警察に行ったりすることで(転売チケット購入が)周りの人にバレたりするのが困る。まあ3、4万円の被害で済むんだったら、諦めて大事にしない方がいいっていう人」

全国に100人以上いるとみられている「チケット詐欺」の被害者。警察はSNSでチケットの売買をせず公式のリセールサイトなどを利用するよう呼びかけています。

■チケットの不正転売はそもそも禁止 SNSで誘われても警戒を

【菊地幸夫弁護士】「『債務不履行』というのは民事上の問題です。『詐欺』になるためには、最初からだます意図が必要です。だからこの容疑者は『だます意図なんかなかった。ちゃんと返すんだけど、お金がなくなっただけ』と装っていたというような話ですね。ただ調べてみれば、最初からチケットを入手するあてがないということが分かれば、詐欺になります。私たちはやはり転売について、チケット不正転売禁止法というのがありますから、そもそも転売は警戒しなければいけません。しかもネットで高い金額でということは、より警戒しなければいけません」

不正なチケット転売の場合、仮にチケットが届いても入場できない恐れもあったりします。正規のリセールサイトなどで購入していただくようにしてください。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年5月2日放送)

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