世界的なオレンジ不足で、オレンジジュースの販売休止が相次いでいます。そんななか、国産みかんが注目を浴びています。

■オレンジ高騰 世界的に不足

50代
「びっくりしました」

30代
「そうなんですか?ジュースなくなっちゃうって、困っちゃうね」

 オレンジジュースまでもが高級品に?発売50年を超える老舗の「ポンジュース」にも、危機が迫っていました。

えひめ飲料 営業部長 山下一俊さん
「こんなに高いポンジュースになるとは、予想しておりませんでした」

 4月、「ポンジュース」はリニューアルし、800ミリリットルで410円から560円に価格改定。パッケージに「甘み・コク引き立つ」の文字が追加され、名前も「オレンジみかんジュース」から、みかんを先頭にした「みかんオレンジジュース」に変わりました。

山下さん
「愛媛県産がメインなんですけども、九州や和歌山産のみかんも購入して使用しています」

 不足しているオレンジ果汁の量を減らし、みかんを多めに配合することに。日本のオレンジ果汁は、およそ6割をブラジルから輸入しています。

 そのブラジルはこの数年、天候不良に見舞われオレンジが不作。また、アメリカにもハリケーンが直撃し、オレンジ畑は大打撃を受けました。

 そのため、オレンジ果汁の仕入れ価格は3年前と比べて3倍から4倍になってしまったといいます。

 さらに、オレンジ不足の影響で、大手飲料メーカーはオレンジジュースの一部を販売休止する事態に。

山下さん
「円安もかなり大きな打撃になっていますね。海外のオレンジジュースを買う国と、やはり少し買い負けをしているというところで影響は大きいと思います」

 また、サイズの種類を少なくすることで、商品の提供を続けているメーカーもあります。

■“生絞り”自販機への影響は?

 オレンジといえば、最近よくみかけるのが、生絞りのオレンジジュースが飲める自動販売機です。3年前の設置開始から、全国で400台以上に拡大する人気ぶりですが、オレンジ不足の影響については、次のように話します。

ME Group Japan マーケティングマネージャー
松野雅弘さん
「海外のオレンジの供給元と調達量を合意したうえで、安定した価格設定で購入することができます」

 現地の農家と直接取引しているため、円安で買い負けることはないといいます。

■農家に追い風?国産みかん注目

 一方、セブンーイレブンでは、果汁100%オレンジジュースをやめ、みかん果汁をブレンドした新商品を発売。使用するのは「国産みかん」です。

 国内農家にとっては、追い風となるのでしょうか。オレンジとみかんの両方をつくる農家は、次のように話します。

森本農園代表 森本和真さん
「新規の取引先が、かなりオレンジを必要としている」

 好調なオレンジ出荷の一方で、オレンジ不足によるみかん需要は、まだ取材した小規模農園には届いていないといいます。

森本さん
「平年通りですね、みかんは」

 今後は「国産みかん」でオレンジ不足を補うことになりますが、みかん農園には需要が高まったとしても課題があります。

Ninofarm代表 二宮新治さん
「かんきつ類の場合は、苗を植えて収穫までに3年から5年かかる。すぐには対応できませんし、5年後にどうなっているかも不安」

 さらに、高齢化による人手不足も大きな問題です。

二宮さん
「僕は今年44歳ですけど、“若手の若手”の扱いをされる。人手不足は慢性的にあって、なかなかアルバイトも来てくれない」

(「グッド!モーニング」2024年5月2日放送分より)

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