博多と韓国・釜山を結ぶ「クイーンビートル」が浸水を隠して運航を続けていた問題で、運航会社のJR九州高速船は3日、クイーンビートルの運休期間をさらに延長すると発表しました。

これまでクイーンビートルの運休期間は12月31日までとしていましたが、JR九州高速船は「運航再開のめどがたたない」として1月31日まで延長することを決めました。

2月以降の運航についても現時点では未定としています。

クイーンビートルをめぐっては運航会社のJR九州高速船が、船体の船首部分への浸水を把握しながら3カ月以上も国に必要な報告を行わず、センサーが作動しないように位置をずらしたり、航海日誌に「問題なし」などと記載してデータを改ざんしたりして運航を続けていたことが8月に発覚し、福岡海上保安部は10月、船舶安全法と海上運送法違反の疑いで強制捜査に踏み切りました。

また親会社のJR九州は、外部の第三者委員会の調査報告書を踏まえ11月、JR九州高速船の当時の社長と運航管理者、安全統括管理者の計3人を懲戒解雇するとともに、3人に対し損害賠償請求を検討していることを明らかにしました。

第三者委員会の報告書は「このような事態を引き起こした責任はJR九州高速船の幹部及び船長にあると考える」とした上で、船舶安全法違反などにあたるおそれも指摘しています。

JR九州は鉄道の運輸部門の担当役員に新たに安全管理を担当させるなど安全を最優先とした役員体制を確立した上で、JR九州高速船では安全意識の醸成と法令遵守の意識を浸透させることなどに取り組むとする再発防止策を示しています。

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