来年の大阪・関西万博に参加する、南米のチリ。

先月24日、博覧会協会が建設した「タイプB」パビリオンの建物が協会側からチリ政府へ正式に引き渡されました。

ワインやピスコといったチリ名物を味わえるほか、建物内が、伝統の織物で覆われ、チリに来たかのような感覚になれるというチリパビリオン。

チリを訪れる日本人観光客が減る中で、担当者は「万博を通して、チリの歴史や文化の魅力を知ってもらい、日本人の観光客がコロナ禍以上になってほしい」と意気込みを語っています。


■「楽しみであるとともに大きな責任を感じる」

【チリパビリオン館長(チリ政府代表)パウリ―ナ・ナサルさん】
「とても楽しみであるとともに、大きな責任感を感じています。来年の4月は遠く感じるかもしれませんが、そんなことはありません。チリの大阪・関西万博への道のりのスタートを象徴するような式典でした」

■「タイプB」協会建設の建物の一部屋を個別アレンジ

「タイプB」パビリオンを出展する国や地域は、博覧会協会が建設した建物の一部屋(約300平方メートル)の内装や外装を個別でアレンジし、それぞれのコンセプトや個性を出します。

■豚肉料理、ワイン、ピスコを堪能

チリは、先住民から伝わる織物を展示するほか、豚肉の料理やワイン、南米の伝統的な酒・ピスコ(ぶどう蒸留酒)など、食文化を楽しめるパビリオンを予定。

【チリパビリオン館長(チリ政府代表)パウリ―ナ・ナサルさん】「チリの職人たちが手作りで作った伝統的な織物でパビリオンの中を覆います。もちろん豚肉、ワインやピスコの試食も。チリからシェフを呼んだり、日本のシェフにチリの食材を調理してもらったりしたいと考えています。300平方メートルの中で、大阪にいながらも、チリに来たかのような体験をしてもらいたいです」

■「万博をきっかけにチリに来てほしい」

大阪・関西万博を通して、チリの歴史や文化を紹介し、日本からの観光客を増やしたい考えです。

【チリパビリオン館長(チリ政府代表)パウリ―ナ・ナサルさん】「万博を通して、日本とチリの両国関係をより良いものにしたいと考えています。コロナ禍前と比べて、チリを訪れる日本人観光客は減っています。万博に出展することで、観光客がコロナ禍以上になることを期待しています。パビリオンを確実に成功させたいです」

チリが入居する「タイプB」のパビリオンには、他にもEU(欧州連合)やカンボジア、リトアニアなどが入居する予定だということです。

チリは今後、内装工事などに取り掛かるとともに、チリの職人が作った織物などの展示物を夢洲へと搬入する予定で、来年3月ごろまでの完成を目指します。

博覧会協会によると、16の国や地域が「タイプB」のパビリオンを出展する予定で、
現時点では、そのうちのおよそ半数に建物の引き渡しが完了しているということです。

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