アメリカのトランプ氏が関税の引き上げなど保護主義的な政策を掲げるなか、自由な貿易体制を維持するために日本が取るべき対応などを議論するシンポジウムが開かれました。
上智大学 川瀬剛志教授
「アメリカ頼みの多国間貿易体制の維持は期待しないという現実を踏まえて行動しないといけない」
経団連のシンポジウムには、通商政策などの専門家や経済産業省の幹部らが参加しました。
専門家からは多国間貿易体制の維持のため、日本のほか、カナダやEU(ヨーロッパ連合)の国々といった「ミドルパワー」と呼ばれる国々が結集することや、自由貿易を促進するWTO(世界貿易機関)の中でも「有志国でのルール作りから進めるべき」などの具体策が挙げられました。
経団連の幹部からは、日本政府はEUなどに比べ、アメリカに対応する関税政策の「動きがないようにみえる」との指摘が出ました。
これに対し、経産省幹部は、トランプ次期政権が「どのような関税政策を打つのかまだ分からない。自由貿易体制を作る際に、アメリカと一緒に行動するのは変わりない」との発言にとどめました。
また今後、米中の対立がさらに激しくなるとして、想定される両国の動きを踏まえての経済安全保障のあり方についても話し合われました。
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