森を守る産地直売、オリジナルの木工製品はいかがでしょうか。

色づいた森の中を歩く人々が向かった先にあったのは、1本のクルミの木です。
約1年後に姿を変えて、参加者の手元に届くことになります。

洞爺湖を臨む山の一角で、10月、『トーヤの森 洞爺の木 北海道の人~2024 クルミの木~』というイベントが開催されました。

森に生きる動物や植物について話を聞いたり、色濃く熟したヤマブドウの実を食べたり、森の中ならではの体験に子どもたちも興味を示します。

参加者全員で森の中へ向かい、木を切り出すところを見学。
その木材から作られる木工製品を購入するという木の産地直売イベントです。

企画者・河野真也さん:
本当に買うのに必要な量とか、経済的にもいいのかも含めて相談してやりたかったので。1本の木の価値を高める、きこりに作業としてのお金がいく、山主にもいく、作家にもいく、というのをきれいに見せたかった。

今回、大きく伸びたクルミの木を切ることになったのには理由がありました。
林業家・足立成亮さんは「いい森にするためにちょっと邪魔になっている木とか、弱くなっている木とかを切って処理する、もしくは収穫して使う。間伐してもいいよねっていう木です」と説明します。

実際の商品が手元に届くのは1年以上後です。

直接、木工作家らと細かく相談しながら、それぞれ何を作ってもらって購入するか決めていきます。

「テーブルとかカウンターにしたくて、木の模様とかを見ながら作ってもらおう」と地元から参加した人も。

東京都からの参加者は「製品がこの自然の状態にあるのを見る機会は、まずない。手元に届いたとき、想像だがすごく愛着湧くだろうな」と話します。

参加者の欲しいものが固まると、「1本で済むのか2本切らなきゃいけないのか」「1本切ったときにどうなるのかなと。倒れなかったら元気な証拠なのかな」などと、林業家と木工作家たちで話し合いが始まりました。

そして、いよいよ木を切り出します。

今回所有する山を会場として提供したのは、木を資材として使う梱包(こんぽう)会社を経営する渡辺大悟さんです。

イベントに協力したきっかけは、「もっと森に人が入ってもらいたい」という思いでした。

トーヤの森の山主・渡辺大悟さん:
(トーヤの森には)曲がりくねった木がたくさんある。それが作品として最高の価値になってくるので、作家さんと来てもらって、曲がった木材だけどかっこいいよねっていうのを人に伝えられて作品になるのが一番。

森を知ってもらうことで林業を守り、地域を活性化する、イベントを企画した北海道でタレント活動をする河野さんは今後は森が好きな人だけでなく、そうでない人たちにも参加してもらえるようなイベントにしていきたいといいます。

企画者・河野真也さん:
これ食べられるとか、こうなったら開くとか、聞いているだけで面白い。エンタメだと思う。森に入る人を増やす、なおかつ森の木を家に持ち帰る人も何人かいる。そういうのをつくっていきたいなぁと。

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