国内最大級の食の商談会「沖縄大交易会2024」(主催・同実行委員会)のリアル商談会が21日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで始まった。サプライヤー(売り手)は県内52社を含む205社、バイヤー(買い手)は台湾やシンガポールなど17の国・地域を含む149社が参加。沖縄や全国の特産品を巡り、22日までの2日間で昨年より76件多い2490件の商談が予定されている。観光客の増加などで日本の食への関心が高まる中、販路開拓を目指す。
丸新水産(糸満市、新垣昇司社長)は沖縄近海で捕れたキンメダイを昨年、「糸満産金目鯛かりゆしキンメ」として商標登録してブランド化した。
新垣社長の父哲二さんの第八新漁丸で釣り、家族で加工・販売まで手がける6次産業に取り組んでいる。さっぱりとした脂で和洋中いずれの料理にも合い、大交易会では煮付けを試食として用意した。
初めて出展した昨年の商談でシンガポールへの販路ができ、さらに拡大を目指す。
新垣社長は「東南アジアで赤い魚は縁起がいい魚として好まれる。かりゆしという名もついているので、お祝いごとなどに使ってほしい」とPRする。
水に浸すとプチプチとした食感が復活する日本バイオテック(糸満市、山城由希社長)の海ぶどう。採れたてを塩水に閉じ込め、常温で2年保存できる。フランスのレストランでも使われるなど、高単価で消費されているという。
ゼロだった台湾への出荷も、つかみ取り体験に力を入れたことも奏功し、この1年で急増しており、今回の大交易会でもバイヤーの関心を呼んでいる。
山城社長は「体験で知ってもらって、また買ってもらえる。生産と観光がうまくクロスしている」と感触を口にした。(政経部・大城大輔)
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