舞台は大阪府東大阪市。「アーチ」と「庭」が生む意外な効果を利用して、狭さ克服と家事ラクを叶えた家を紹介する。

アーチと庭が生み出す効果を利用し、狭さと家事ラクを実現させた家

 住人(アルジ)は、中学生の兄弟を持つ銀行員の母。12年前、キューバ人の元夫と離婚しシングルマザーになった住人(アルジ)は、5年前に東京から地元である東大阪市に戻り、新居を構えた。

外扉を開けると前庭が…!その活用方法とは?

 3人家族で暮らす59平米ほどのコンパクトな家は、元々は実家が所有していた長屋の1軒を取り壊して、ほぼ平屋に建て替えたもの。白い外壁に設けたかわいいアーチ型の扉が印象的だ。アーチ型の扉を開けた先にあるのは、庭。限られた敷地ながら確保したこの6帖サイズの前庭があることによって、上からの光を採り込みつつ、前面道路からの視線は壁でしっかりカットしている。

上から光を取り込みつつ前面道路からの視線は壁でしっかりカット

 前庭を抜けて、ここもアーチ状になった玄関から家に入ると、元長屋とは思えないまるで異国のヴィラのような空間が広がる。優雅な雰囲気が漂うひとつながりのメインスペースは、東南アジアの旅行が趣味だという住人(アルジ)の好みを反映したもの。そんな空間には4.5帖サイズの中庭があり、外からの明るい光を届けている。

 また家には、外扉、玄関に加え、室内にも大きな2つのアーチと、全部で4つのアーチがある。これらアーチがあることによって、デザインの良さだけでなく、空間に広がりがあるような錯覚が生まれるのだという。

将来を見据えて両立したかった「家事ラク」と「非日常感」

家事楽×海外旅行のような非日常感を味わうために取り入れられた4つのアーチ

 シングルマザーである住人(アルジ)が将来も見据えて建てたという家は、あえてコンパクトにすることで、掃除をはじめとした家事に苦労しない“家事ラク”を追求。その一方で、海外旅行のような非日常感も味わいたい・・・両立しにくい2つの希望を叶えるために取り入れたのが、4つのアーチと2つの庭だった。

すっきり片付いたキッチンとアーチが醸し出す雰囲気を味わえるダイニングテーブル

 アーチが醸し出す雰囲気や奥行きを味わえる特等席が、ダイニングのテーブル。居心地が良すぎるため、子どもたちもテーブルで勉強やゲームをしているそう。家族の居場所がダイニングに集中するおかげで、掃除が楽にできるというメリットも。

 隣には、すっきりと片付いたキッチン。散らからないようにするため、棚に収まらないものは買わないのが一家の鉄則となっている。食器も調理器具も食材も収納に入る分しか買わないという。

普段着は1人あたり2セット!?“必要以上に増やさない”が一家の鉄則

 そんな家にある唯一の個室が、3.8帖の住人(アルジ)の寝室。なんと家族3人が着る1年間の服を収納するクローゼットもある。服もクローゼットに収まる分だけで着回しすることが一家の鉄則に。普段着は2セットあれば十分だとか。

2階にある二段ベッドと勉強机が置かれた子供部屋。実は住人(アルジ)の布団を引き親子水入らずで一緒に寝ているそう

 2階には、勉強机とベッドを置いた子ども部屋がある。9帖のスペースを兄弟2人で仲良く分け合って使っているが、実は個室の寝室が寝苦しい住人(アルジ)も布団を敷いて、親子一緒になって寝ているそう。

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