円安に歯止めがかからない。円相場は25日、節目となる1ドル = 155円を突破し、約34年ぶりとなる円安ドル高水準を更新したが、突破したあとも円安が進み、155円台後半まで下落した。

アメリカの長期金利が上昇したことなどから、円を売ってドルを買う動きが加速した。

日銀は、25日から2日間、金融政策を決める会合を開く。

市場関係者は、内容次第でさらに円安が進む可能性を指摘していて、政府の防衛ラインとの観測があった155円を超えても介入がなかったことで、介入への警戒度が上がったとする見方も出ている。

関連して、林官房長官は会見で、具体的な見解は控えるとする一方、過度な変動は望ましくないとの認識を示した。

林官房長官は「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であり、過度な変動は望ましくない」と述べたうえで、「為替市場の動向を注視して万全の対応をとる」と述べた。

また、日銀には物価や金融情勢をふまえた適切な金融政策運営を期待する考えを示し、緊密に連携すると述べた。

智田裕一解説副委員長に聞く。

ーー日銀のマイナス金利解除後もそれほど円相場は上がっていないが、一報円相場は円安が進んでいる。きょうとあすには日銀の金融政策決定会合が開かれるが、今後の為替相場の動向を見据えて、どこに注目しているか

あすの日銀・植田総裁の会見に注目。ポイントは円安進行をけん制しようという発言があるかとうかだ。日銀この先の利上げは景気へのダメージを考えて急がないという方針を示しているが、植田総裁は先週ワシントンでの会見で、「円安で物価高に大きな影響が広がったら、金融政策の変更もありうる」と話していた。こうした中で、今回追加利上げについて前倒しを匂わせるような発言があれば円相場は円高方向に振れる可能性がある。一方で利上げを急がない考えを強調する事になれば円安が加速する事が考えられる。あすの会見は午後の見通し。

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