(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇か。石破茂首相が「利上げする環境にない」と発言した後の円安は行き過ぎだったとの見方から、反動の円買いが続く。米国では消費者物価指数(CPI)でインフレ鈍化傾向が確認される公算が大きく、ドルの重しとなりそうだ。
市場関係者の見方
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- 円相場は買い戻しが優勢か。CPIなど物価統計で米国のインフレ鈍化を確認する時間帯になる
- 石破首相の発言で売られ過ぎた円を買い戻す流れが続きやすい。米CPIが市場予想を下回ると、1ドル=145円を超える円高もあり得る
- もっとも、先々を見ると中東情勢緊迫化による原油高などインフレリスクがくすぶる。米利下げ織り込みも修正余地があることから、円高・ドル安局面ではドルの押し目買いが強まりそう
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト
- きょう発表の米雇用統計が強かった場合、週明けのドル・円は147円台での始まりが想定される
- ただ、今回で11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の見方が固まるわけではなく、ドルの上値は徐々に重くなりそう
- 雇用統計が弱い場合、石破首相発言を受けた円売りの巻き戻しが想定されるが、円の上昇は144円台までにとどまる公算が大きい
- 日本要因では石破首相がハト派に転じたことや解散総選挙に向かうことから、日本株上昇・円安のアノマリーが続きやすい。週末の選挙情勢を巡る報道にも注目したい
来週の注目材料
- 10日:9月の米CPI
来週の主な予定
- 7日:日銀支店長会議、10月の地域経済報告(さくらリポート)公表、米ミネアポリス連銀総裁と米セントルイス連銀総裁が発言
- 8日:8月の毎月勤労統計、8月の国際収支、30年債入札、8月の米貿易収支、米3年債入札、クーグラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事と米アトランタ連銀総裁、ボストン連銀総裁が講演
- 9日:臨時国会会期末、衆院解散、FOMC議事要旨(9月17~18日開催分)、米10年債入札、米ダラス連銀総裁や米シカゴ連銀総裁、米サンフランシスコ連銀総裁が発言
- 10日:9月の国内企業物価指数、5年債入札、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、米リッチモンド連銀総裁や米NY連銀総裁が発言
- 11日:9月の米生産者物価指数(PPI)、10月の米ミシガン大学消費者マインド指数
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。