EV=電気自動車をめぐっていま、追い風や逆風が吹いています。人気の中国メーカー、そして迎え撃つ日本勢の戦略を取材しました。

週末、横浜市で行われていたのは、話題のEVのイベント。低価格を武器に、日本市場に攻勢をしかける中国メーカー「BYD」です。

「テスラと比べて圧倒的に安いじゃないですか。その価格差はどこからくるんだろうとは思ってる」
「普通に使えるんであれば、全然それはありなんじゃないかなと」

コンパクトEVの価格は363万円から。国の補助金を使うと328万円になります。

BYD Auto Japan 遠藤友昭 マーケティング部長
「EVに興味がある方だけではなくて、例えばハイブリッド車にお乗りの方とか幅広の方がですね、いま我々のモデルを選択肢に入れていただいてる」

世界での存在感は想像以上で、調査会社マークラインズによると、今年4月から6月の世界販売ランキングでBYDは7位に浮上。ホンダ、日産までが抜かれ、上にいる日本勢はトヨタ自動車だけです。

そのトヨタが、最新鋭のバッテリー工場の「トヨタバッテリー 新居工場」(静岡・湖西市)をお披露目。しかし、豊田会長の口から出たのはご先祖様のお名前でした。

トヨタ自動車 豊田章男 会長
「今ここにいる私たちは皆、佐吉の夢の継承者だと思います」

そもそも、グループ創始者・豊田佐吉の時代から高性能の電池開発に熱意を注いでいたというのです。

この工場では、ハイブリッド車用のバッテリーを製造していますが、2026年からはEV用のバッテリーの生産も始まります。

しかし、EVにはいま、逆風も…。

アメリカやヨーロッパを中心に充電インフラの不足が指摘され、価格も高いことから人気が低迷。「ボルボ」や「メルセデス・ベンツ」は、「2030年までに全ての新車をEVとする」目標を撤回しました。

一方、トヨタの戦略はあらゆる車種を用意し、対応していく構えです。

トヨタ自動車 豊田章男 会長
「我々はPHEV、BEV、水素エンジン、ガソリン、ハイブリッド、どれも用意できる。最後、市場とお客様は選択肢を選ばれると思います」

日々変化するEVへの期待と不安。メーカーは難しい舵取りを迫られています。

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