(ブルームバーグ):米大統領選の民主党副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事は1日、CBSニュース主催のテレビ討論会で、1989年の天安門事件の際に香港にいたとする過去の発言について、「言い間違えた」と述べた。
事件が起きた1989年6月4日当時、どこにいたかについては直接言及しなかった。
ウォルズ氏はこれまで、中国共産党が天安門事件で民主化勢力を弾圧した際に香港にいたと、繰り返し発言してきた。米紙ニューヨーク・タイムズなどのメディアは今週、当時の報道によると、ウォルズ氏は1989年8月まで米国にいたと報じた。
発言との食い違いについて問われたウォルズ氏は、香港にはその年の「夏に到着しており、言い間違えた」と述べた。共和党副大統領候補のバンス上院議員とのやり取りの中で、時に緊張した様子も見せたウォルズ氏は、その後も時系列が曖昧で要領を得ない回答をした。
ウォルズ氏は「つまり、私は香港と中国で民主化デモが行われていた際、そこにいた」とも述べた。
ハリス副大統領とウォルズ氏の陣営に対し、この発言の明確化のためのコメントを求めたが、すぐには返答はなかった。
ウォルズ氏は1989、90年に中国南部の広東省で英語を教え、その後、アジア旅行の企画会社を設立した。妻のグエン氏によると、ウォルズ氏は89年の天安門事件から5年目の日に結婚した。グエン氏は地元紙の取材に対し、ウォルズ氏が「忘れられない日付にしたいと思っていた」と語った。
ウォルズ氏の中国体験、選挙戦に影響も-期待から不満に転じた対中認識
バンス氏は、何か誤りを犯した場合は「米国民に説明することが重要だ」と述べ、ウォルズ氏の回答を批判した。また、ハリス氏がエネルギー生産の拠点を中国に移転させた原因を作ったと述べ、ハリス、ウォルズ両候補を、米国の労働者にとって有害だと繰り返し非難した。
「中国で日給3ドルの奴隷労働者を雇おうとしているなら、米国労働者の賃金を切り下げることになる」とバンス氏は述べた。中国に対し、「米国が自ら立ち上がり、中間層の米国人に適正な賃金を支払わない限り、われわれの市場にアクセスできないと主張しなければ」、米国の労働者を苦しめることになるとも強調した。
原題:Walz Says He Misspoke About His Travel During Tiananmen Protests(抜粋)
--取材協力:Akayla Gardner.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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