10月から変わるお金の話。お財布に厳しい“悲しい値上げ”もまた多くなりそうですが、中には“うれしい値上げ”もあります。さらに、いわゆる106万円の「年収の壁」の制度も変わるということです。働く時間はどうするべきなのか?そもそも年収の壁とは何なのか?ファイナンシャルプランナーの福一由紀さんへの取材などをもとにまとめました。

食品だけじゃない…10月から値上がりする“あれこれ”

 10月からの“悲しい値上げ”、1つ目は「食品」です。約3000品目が値上がりする可能性があり、特にチョコレートは、猛暑や干ばつで原料のカカオ豆が高騰していて、「カカオショック」と言われるほどになっています。

 2つ目は「郵便料金」。定形郵便物が25gまで84円、50gまで94だったのが、10月以降は50gまで110円となります。また、通常はがきは63円→85円、レターパックプラスは520円→600円、レターパックライトは370円→430円に値上がります。

 3つ目は「薬」。先発医薬品のうち、ジェネリック医薬品の発売から5年たったものや、ジェネリックの置き換え率が50%以上については、「特別料金」の支払いを求めるということです。もちろん医療上、先発医薬品の必要がある場合などは除きます。

 例えば、保湿薬の「ヒルドイドソフト軟膏」は、先発薬を選んだ場合、9月までの自己負担額は280円ですが、10月からは406円に(ジェネリック医薬品の場合は80円)。血圧降下薬「アジルバ錠」(40mg・30日分)も、1080円→1560円に値上がりします(ジェネリック医薬品の場合は450円)。

 そして、“悲しい値上げ”4つ目は「火災保険料」。台風などの自然災害が相次ぎ、収支は赤字続き。損害保険大手4社は火災保険料を約1割アップするということです。そして、火災保険のオプション扱いで水害リスクもカバーしてくれる水災補償にも変更点が。これまでは一律料金でしたが、水害リスクを市区町村別に5段階で評価し、水害の多い地域ほど保険料が高くなる仕組みとなります。

うれしい値上げ1:最低賃金が全国平均50円アップ!

 10月からの“うれしい”お金の話もあります。1つ目は最低賃金のアップ。全国平均で50円上がります。一番高いのは東京で1113円→1163円で、一番安い秋田では897円→951円に。大阪は1064→1114円となります。

 ちなみに、各国の最低賃金は、韓国1058円、ドイツ1996円、イギリス2196円、オーストラリア2371円、アメリカは州によって差がありますが、ワシントンなど都市部は2000円を超えています。

うれしい値上げ2:児童手当の拡充 第3子の数え方も変わる

 また、少子化問題が深刻化する中、児童手当が拡充されます。10月から変わるポイントは以下です。

▼所得制限の撤廃
▼高校生年代も対象となる
▼第3子以降は3万円に増額

 さらに、第3子の“数え方”も変わります。9月までは、高校を卒業した年代は第1子として数えませんでしたが、10月からは大学生の年代まではカウントされます。

 子どもが4人いるMBS山中真アナウンサーの例を見てみます。9月までは19歳(カウントなし)・高校生(0円)・小学生(1万円)・小学生(1万5000円)で、児童手当は計2万5000円でした。

 しかし、10月以降は19歳(カウントなあり)・高校生(1万円)・小学生(3万円)・小学生(3万円)で、毎月計7万円となります。

 少子化の原因については、「育児の経済的負担が大きい」が大きな要因として挙げられています(ニッセイ基礎研究所より)。小学校から大学まですべて公立で約800万円、すべて私立なら約2300万円かかると言われる中、児童手当拡充が育児の経済的な助けになれば、少子化対策に一石を投じることになるかもしれません。

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