(ブルームバーグ):米中古住宅成約指数は8月に小幅上昇。前月は過去最低の数値だった。住宅ローン金利の低下を受けて、購入希望者の中には慎重ながらも前向きな姿勢が見られるようになった。

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「小幅上昇に転じたのは、住宅の値ごろ感改善を反映している。これは主に住宅ローン金利が8月に6.5%に低下したためだ」と発表資料で指摘。「しかし成約件数は依然サイクルの下限に近く、住宅価格が過去最高値を更新し続ける状況と相いれない」と述べた。

不動産業者は購入希望者がローン金利の低下に反応することを期待している。ローン金利は最近、6%強まで低下した。しかし購入希望者が市場に戻る足取りは鈍く、中古住宅販売は8月に10カ月ぶりの低水準だった。過去に3%未満の金利で購入した住宅保有者は売却に消極的なため、在庫は2019年水準のおよそ4分の3に抑制されている。

明るい兆候として、向こう6カ月に住宅購入を計画していると回答した消費者の比率は1年ぶりの高水準だったことが、コンファレンスボードの調査で明らかになった。米政策金利の追加引き下げ見通しが後押ししたという。

地域別では中西部と南部、西部で成約指数が上昇。北東部では新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となった2020年以来の低水準だった。

通常は販売が成約してから1、2カ月後に取引が完了するため、中古住宅販売成約指数は中古住宅販売の先行指標とみられている。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:Pending Sales of Homes in US Creep Up as Borrowing Costs Drop(抜粋)

(統計の詳細を加えます)

--取材協力:Chris Middleton.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。