日々の暮らしにとって大きな痛手となる食料品の値上げ。

「庶民の味」として人気のたこ焼きが気軽に食べられなくなってしまうかもしれません。

アツアツでトロトロの丸い「たこ焼き」。

「安くてうまい」まさに庶民の味の代名詞!

そんなたこ焼きが今、ピンチに陥っています。

◆たこ焼はしもと 橋本友太 店長
「(タコの仕入れ価格が)年々100円ずつ上がっているような感じです。2カ月前ぐらいに上がって、また上がると言われている」

店主が頭を抱えるのは、タコの値上げ。

この店では、今年2月にたこ焼きを600円から630円に値上げしましたが、10月からはさらに20円値上げして650円で販売する予定です。

Q.値段を据え置いたままの販売は?
◆たこ焼はしもと 橋本友太 店長
「ちょっと厳しいですね。どこも多分厳しいと思います」

タコの値上がりは、私たちの生活を支えるスーパーでも。

◆ディレクター
「スーパーの鮮魚売り場なんですが、タコありますね。」

タコの値段は100グラム598円。

同じスーパーの国産牛肉は100グラム398円で、なんとタコの方が割高になっているんです。

◆買い物客
「お肉の方を買いたくなりますね」

◆買い物客
「最近してないですね、たこ焼きも。手が出ないというか、かなり値段が上がっていますもんね」

◆ゆめタウン博多 堀脇雅貴さん
「2~3年前に比べたら倍ぐらい上がっています。(5~6年前に比べて)70%ぐらいまで売り上げは落ちている」

庶民の味がなぜ、一転して高級品に?

その理由は福岡から1万キロ以上離れたアフリカにあります。

日本で流通するタコの多くは西アフリカのモーリタニアやモロッコから輸入されています。

しかし歴史的な円安によって、アフリカのタコを巡る競争で日本がほかの国に買い負けしていることなどから、国内のタコの流通量が減り、異常な値上がりにつながっているんです。

◆ゆめタウン博多 堀脇雅貴さん
「輸入物が手に入らないというのが現状で、国産をメインで販売しています」

こうした中、福岡市に近い古賀市へ今、タコを求める人たちが集結しているとの情報が…。

◆記者リポート
「あちらのテント、なんだか人だかりができています。奥まで長い列ができているのが確認できます」

平日の朝にもかかわらず驚くほどの人だかり。

お目当てはもちろんタコです。

◆記者リポート
「みなさん、一斉にタコを買い物かごに入れています」

ここはタコを加工販売する会社「カイセイ」の直売所ですが、人気の理由はその安さ。

モーリタニア産のタコの値段を見てみると、250グラムで500円。

100グラム200円での販売となり、スーパーと比べ7割近く割安となっています。

Q.どれぐらい買われました?
◆買い物客
「全部で60個ぐらい。安い方ですね全然。全部で3万7000円。スーパーで買うとすごい金額になると思う」

◆買い物客
「何年も来ています。お手頃だと思います。来る価値はあると思う」

この日はタコ足約2000パックが完売。

なぜ、こんなにも安くタコを販売することができるのか?

その秘密を聞きました。

◆カイセイ 谷口譲 取締役
「タコの足は8本ありますけど、中には欠けているものがある。スーパーなどは見栄えがありますので、正規品として販売できないんですよね」

味は変わらないものの、見栄えが悪いタコ。

こうしたタコが全体の約2割にも及ぶことから、カイセイでは毎月、最終水曜日に工場で直売会を開き、安価で販売しているんだそうです。

◆カイセイ 谷口譲 取締役
「古賀市にタコの工場があるというアピールと、皆さんにおいしいタコを食べていただきたい、皆さんの笑顔があればいいな、と思って販売しています」

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