2023年、輸出額が過去最高を記録した「日本のお菓子」。外国人にウケる“意外なお菓子”とは?さらに爆売れのウラには、それぞれの国にあわせた“味の戦略”もありました。
外国人に売れる「お菓子トップ4」
観光名所、上野アメ横で1000種類のお菓子を扱う『二木の菓子』。
客の6割以上が外国人で、ハワイから来た男性がカゴ一杯に買っていたのは、イチゴ味の「ブラックサンダー」や、キビナゴのおつまみなど。
さらに、マレーシアから来た家族は「キットカット」のアップルパイ味や「きのこの山」などをスーツケースが閉まらなくなるほど購入していました。
円安とあってみなさん爆買い。その中でも特に売れている「外国人の売れ筋トップ4」を聞くと、むかし懐かしいお菓子も入っていました!
▼1位は「キットカット」。一番人気は抹茶味で、キットカットを購入する人の7割が手にとるとのこと。
▼2位は、「干し柿もち」。干し柿特有の甘みや果肉を練り込んだお餅のお菓子です。
『二木の菓子』川村耕一さん:
「お餅に人気があるので、だいたいアジア系の人に人気がある」
▼3位は、オブラートで包まれた寒天ゼリーの「ミックスゼリー」。欧米からのお客さんに人気で、オブラートの食感がウケているそうです。
ブラジルから来た女性:
「ブラジルにはないお菓子。娘が絶対に好きだと思う」
▼4位は「DIYキャンディー」。
「自分で作るのが面白い」「子どもが興味深々」と、38年前に発売された「ねるねるねるね」をはじめとする知育菓子シリーズが売れているとのこと。
粉と水だけで本物そっくりなお寿司が作れちゃうお菓子に、お弁当や屋台メニューが作れるものまであり、海外のSNSで大バズり。輸出量はここ9年で10倍になったといいます。
日本人メジャーリーガーが広めたお菓子
さらに、海外の売り上げが日本を抜いたというのが「ハイチュウ」です。
リアルなフルーツの味わいや食感が強みの「ハイチュウ」ですが、お菓子の巨大市場アメリカでは、発売から6年間は全く売れなかった過去も…。
そこに転機をもたらしたのは、メジャーリーグのボストンレッドソックスに在籍していた田澤純一投手です。ブルペンにハイチュウを持ち込むと選手たちが絶賛し、チームの定番おやつに!噂を聞きつけたメーカーは、様々なメジャー球団にアプローチしたのです。
『森永製菓』海外事業部 松田和之さん:
「球場でサンプリング配布したり、看板に『HI-CHEW』のロゴを出したりして、そこから認知度が徐々に広がって取り扱ってくれるチェーン店が増えた」
アメリカでの実績が海外進出を加速させ、今では30か国に進出。一番売れているフレーバーはストロベリーとのことですが、その国ごとに味を変えているといいます。
『森永製菓』海外事業部 松田和之さん:
「その国々で“ストロベリーはこういう味”という風味の方向性が違う」
“日本にはない味”で外国人の舌をつかむ
そして、「過去最高の売り上げ」になっているのは、カラムーチョや、ポリンキーなど100種類以上のお菓子を世界50か国以上で展開している『湖池屋』も。
海外で売れるには、日本人にはわからない味覚や感覚をどう表現するかがカギ。過去にアメリカで発売した「ポリンキーの明太子味」は撤退を余儀なくされたこともあるといいます。
『湖池屋』海外事業部 柏崎勝利さん:
「めんたい味は日本人には非常においしい食べ物というイメージだけど、アメリカでは『え?あの卵の食べ物?』と受け入れられなかった」
売れる味を見極めるために重要なのが、現地にいる海外担当とのミーティングです。台湾の担当者からは、10年前に発売するも売れずに販売終了となった「すっぱムーチョ」についての報告が。
『台湾湖池屋股份有限公司』竹村和憲さん:
「6月に再販開始してから非常に好調。前は酸っぱいのが得意じゃない、苦手という人が多かったけど、日本に行く台湾の人も増えて、味覚についてもだいぶ慣れてきている。昔ほど抵抗がなくなっているのも大きいのかなと」
一方、ベトナムは正反対。「カラムーチョ」が辛すぎて食べられないとの声があり、甘辛くするなど味を調整。さらに子どもでも楽しめる“辛くない”ベトナム限定の商品も開発したのです。ミーティングでは、その商品についての報告がありました。
『Koikeya Vietnam Co.,Ltd. 』井上敦司さん:
「KOIムーチョは、現地ならではの味というところもあって、非常に数字がいいです」
ベトナム限定の「KOI(コイ)ムーチョ」。日本の「スコーン」に似たスナック菓子で、バターガーリック、コーンミルク、ハニーバター、バーベキューの4つの味を用意。パッケージには、ネコ型ロボットをデザインしています。
ベトナムでは日本のお菓子人気が高いとのことで、湖池屋では日本より多い15種類のスナック菓子を展開中。
ホーチミン市在住のTHETIME,特派員・三上ナミさんが、地元の人が多く利用する個人商店に行ってみると、店先にズラリと並んでいました。
店主:
「値段がベトナムのお菓子と変わらないムーチョはすごく売れている。子どもにはコーンミルク味が人気です」
中学校の売店に並ぶスナック菓子も、半分は日本の商品です。
男子生徒:
「カラムーチョの海苔味が好き。ベトナムに無かった味のお菓子だから」
女子生徒:
「甘辛い味が好きだから甘辛ムーチョが好き」
昔からあるベトナムのお菓子より、日本のお菓子が売れているとのことでした。
明太子⇒「スパイシー〇〇〇〇」表記で売れた!
海外展開では、日本との感覚の違いが大きいお菓子。
「明太子」は英語表記では「Spicy Pollack roe」(スケトウダラの卵)となり、敬遠されがちだが、表記を変えることで売り上げをのばした例もあるとのこと。
そこで安住紳一郎アナからクイズが出題された。
「明太子」⇒「スパイシー〇〇〇〇」で売り上げアップ、ヒントは4文字。
杉山真也アナは「これ当てちゃっていいですか」と自信ありげに「スパイシーエッグ」と回答。
しかし安住アナは「全く当たる気配ない。エッグだったら一文字足りないじゃん」と完全ダメ出し。
続く宇賀神メグアナは「スパイシータラコ~」、佐々木舞音アナは「スパイシーフィッシュ」と答えるもいずれも不正解。
さらに、乃木坂46の一ノ瀬美空さんは明太子の形に目を付け「くっちびる…?」と超ひねり回答。
これには安住アナも「スパイシーくっちびる?くっちびる?」と仰天。
スタジオが笑いに包まれる中発表された正解は「スパイシーキャビア」。
一ノ瀬さんが苦笑いする横で、安住アナは「7時47分、3人のアナウンサーと1人のアイドルが消えました」と“実況”。周りから「消えてない!消えてない!」と猛ツッコミを受けながらスタジオを締めた。
(THE TIME,2024年9月25日放送より)
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