エッグショックの再来となるのでしょうか。卵の価格の見通しを議論する会議が24日に行われ、価格上昇は夏の猛暑と月見需要が原因だと分析されました。
■月見バーガー人気も 卵が価格高騰
月見バーガー この記事の写真 肉厚なハンバーグにトロットロの黄身があふれ出る「月見バーガー」。
今や秋の風物詩となっている月見商戦。東京・新宿区の「SHOGUN BURGER」では、5年前から参戦し、多い時は1日に40個も売れる人気メニューになっています。
「(卵は)毎月使う量よりも、かなり量が多くなる。一日にどの店も60個は使っている」
心配しているのは卵の値上がりです。現状は、長い付き合いのある業者から、これまで通りの価格で卸してもらっていますが、扇谷さんは次のように話します。
扇谷さん「(今後は)かなり影響してくると思う。何か他の食材を使うとか、そういうところでコントロールしないといけないと思っています」 卵の卸売価格
去年、「エッグショック」とも呼ばれた鳥インフルエンザの流行で起きた卵の高騰。
JA全農たまごによると、Mサイズ1キログラム当たりの卸売価格が一時350円と過去最高を記録しました。今年1月には180円まで下がりましたが、再び上昇に転じ、24日には260円になりました。
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長都内のスーパーを訪れてみると。
客(50代)「ここのところ、少し上がったなと実感している。(卵を)使う個数を考えて、買う頻度も減ってしまっている」
「(卵の価格が)一気に上がってきているので、もう今何を買ったらいいか分からない」
今の卵の価格は、例年よりおよそ3割も高く、異常とも言える状態だといいます。
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長「ほぼ原価で売っている金額が240円。1週間に1回、特売で卵を88円で売っている。1回特売やるたびに3万円以上損する。このまま利益の薄い状態で頑張っても、やはり相場が上がってしまうと(値段を)上げざるを得ない」
さらに例年、年末に向けてはクリスマスケーキやおでんなど、需要が高まることで、卵の価格が上昇する傾向にあります。
秋葉社長「このペースで年末にかけて通常の値上がりの仕方をすると、300円を超えますよ」
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■高値の原因は? 生産現場の懸念■高値の原因は? 生産現場の懸念
鶏卵の需給見通し検討委なぜここまで卵の価格が上昇しているのでしょうか。
専門家などが集まった鶏卵の需給見通し検討委で、農林水産省の担当者は「現在の鶏卵需給について、猛暑の影響による供給減少に加え、月見商戦など季節性の需要の高まりが重なった」と述べました。
高値の原因は、猛暑によって鶏の数が大幅に減り、夏バテによって産む卵の数も減ってしまったこと。そして、この時期に飲食業界で展開される月見商戦です。
今後、涼しくなり、鶏の夏バテが解消されることで少しは価格が落ち着いていくのでしょうか。
坂本哲志 農林水産大臣「猛暑の影響は徐々に解消されていくので、需給状況は改善される見込みであると」 生産現場の懸念と夏バテの影響
坂本大臣は改善の見込みを口にしましたが、生産現場からは懸念する声が聞こえてきました。
清水養鶏場 清水茂取締役「夏を越えてからも、夏バテは出てくる。今まで我慢して、小さいなりにも(卵を)産んでたが、『もう疲れた』という感じで、秋になって産みが止まるとか」
夏バテ状態は今後も続くうえ、猛暑で減ってしまった鶏についても、増やすことは困難だといいます。
清水取締役「今から鶏を増やそうとしても、半年ぐらいかからないと(卵を)産んでくれる鶏は手に入らない。半年くらいは高値で推移するのではないか」
(「グッド!モーニング」2024年9月25日放送分より)
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