会社員と脚本家の二刀流。
働く若者たちの戸惑い、将来への不安を描くシナリオ術に迫りました。

さまざまな若者の葛藤や夢を追い掛ける姿を描いたドラマ『最寄りのユートピア』。

この脚本を手掛けたのが、外資系IT企業に勤めながら若手脚本家としても活動している片岡陸さん。

働く人にも刺さる、2つの仕事を掛け持ちしながら誕生した脚本の秘密に迫りました。

25日放送予定のドラマ『最寄りのユートピア』。
警備員のバイトをしながらミュージシャンとして活動するも、売れない日々が続く工藤と、大手雑貨メーカーに勤めるも希望の部署に就けず、淡々とした日々を過ごす木崎。

似た悩みを抱える2人が偶然出会うことによって自分と向き合い、新しい目標や夢を見つける姿が印象深く描かれています。

ドラマ「最寄りのユートピア」脚本・片岡陸さん:
会社勤めをしていてその日起きた出来事とか、いい意味で引きずったまま脚本という作業に。

会社員と脚本家の二刀流で活動しているからこそ、若者が抱く将来への漠然とした不安をさまざまなキャラクターの視点から深掘りできるといいます。

ドラマ「最寄りのユートピア」脚本・片岡陸さん:
登場人物の年齢が自分と近い20代中盤から後半の若者だったので、リスクを侵すことを最初から懸念して、それなりの足場がある状態の中でどれくらい幸せでいられるかとか。

そんな若者の本音を引き出すため力を入れたのは、お酒や音楽を活用した脚本構成。

論理的な思考とは別に、直感的に行動できる機会をつくり、心の内に隠す本当の自分をさらけ出すことにつなげていきます。

ドラマ「最寄りのユートピア」脚本・片岡陸さん:
生活の中に非日常的な場所とか、普段と違う自分になれる場所が一つでもあれば十分。お酒を飲むことで人との会話だけではなくて、自分の中だけでもこういうことを思っていたなと。純粋に自分の気持ちや感覚でのめり込んでいく。

最後に、片岡さんと同じように二刀流で活動する映画監督のキャリアを持つ「Live News α」のディレクターが質問をしてみました。

2023年監督映画が劇場公開 「Live News α」ディレクター・堀川湧気氏:
僕自身も2つの仕事をすることでそれぞれにいい作用が起きたり、視野が広がったりいろんな発見があるんですけど。

「会社員」「脚本家」の二刀流・片岡陸さん:
自分以外の人間がどういう悩みを抱えていて、いろんなものに気づくきっかけに確実になる。コンテンツが身の回りにたくさんあって、自分で自分を楽しませることができる状況。人間と関わることでしか生まれない関係とか縁を大事にして、誰かと一緒に作っていきたい。そういう未来を期待している。

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