(ブルームバーグ):ドル相場は、米金融当局による大幅利下げ後に水準を切り上げる展開となっているが、今後24時間にイングランド銀行(英中央銀行)と日本銀行の金融政策決定を控え、トレーダーの間には、総合的な市場への影響を見極めるため様子見姿勢が広がっている。

ドルはほぼ全ての主要通貨に対して上昇する場面がみられた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が18、19日両日の定例会合で決定した利下げ幅は危機対応時と同程度の0.5ポイントだった一方、今後の緩和ペースについてはより慎重な姿勢が示されている。

みずほ銀行の経済・戦略責任者、ビシュヌ・バラサン氏(シンガポール在勤)は、「日銀が大きなリスク要因の一つになり得る状況下で、市場は今、正念場を迎えつつある」と指摘。「不確実性が意識される中、戦略としてリスクを排除する動きが優勢で、ドル買いや、米国債中心に債券への賭けを固めることが選好されている」と説明した。

 

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は19日の取引で一時0.4%高。一方、円とスイス・フランは、対ドルで下落している。

投資家はドル相場の方向性を見極める上で、目先の金融政策動向以外に、米大統領選挙や地政学的リスクも考慮する必要がある。

サクソ・マーケッツの為替戦略責任者チャル・チャナナ氏は、「この四半期のドル安は行き過ぎ」とみる。その他の経済圏のパフォーマンスが米国よりも好調であれば、ドルの下落は正当化されるが、「ユーロ圏や中国、あるいはカナダでさえデフレに向かっている状況を考えると、今のところドル安の持続性に確信を持てない」としている。

原題:Dollar Gains in ‘Crucial Window’ Before BOE, BOJ Rate Decisions(抜粋)

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