リニア中央新幹線です。開業時期の見通しが立たない中、長野県の阿部守一知事や県内沿線の市町村長が、JR東海に改めて早期の開業を求めました。一方、止まっていた静岡工区は、このほどボーリング調査を静岡県が初めて容認し、阿部知事は今後に期待をにじませました。

都内のJR東海本社を訪れた阿部知事。沿線の市町村長とともに、改めて丹羽社長に早期開業を要望しました。

阿部知事:
「開業時期がずれこんでしまうこと、大変残念な状況。東京‐名古屋間、一日も早く開業いただきたいと願っているし、開業時期を早く明らかにしていただきたい」

品川・名古屋間を40分で結ぶ計画のリニア中央新幹線。当初は2027年の開業を目指していましたが、静岡県の川勝前知事が環境問題などを理由に着工を認めず、JR東海は2027年開業を断念。新たな開業時期は示していません。

飯田市にできる県内駅も用地取得に手間取り、工事完了の見通しが当初より5年9カ月遅い2031年12月末にずれ込みました。

また、17日は松川工区も予定より5年遅れの2031年夏ごろになる見通しが明らかになりました。

JR東海の担当者:
「地元の皆さんにもっと早く言うべきだったのではないかと、皆さまのご期待を裏切ったことは反省しなければならない」


一方、静岡工区を巡っては、9月17日大きな動きがー。

2024年5月に就任した鈴木知事がこれまでの方針を転換、トンネル工事のためのボーリング調査を初めて容認したのです。

JR東海・丹羽俊介社長:
「開業時期を見通すことはできていませんが、早期の開業目指して、工事の安全、環境の保全、地域の皆さまとの連携を重視しながら、全力を挙げて取り組みたい」

静岡県の方針転換を受けて阿部知事は今後の進捗に期待をにじませました。

阿部知事:
「(静岡県知事とJR東海の)コミュニケーションもしっかり図られるようになり、着実に進捗の方向で議論が進められていると受け止めている。一日も早い開業に向けて力を合わせていきたい」

この他、県側は工事で出た重金属を含む「要対策土」の使用することへの丁寧な説明やリニアを活用した地域振興なども要望しました。

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