(ブルームバーグ):欧州の自動車メーカーについて、投資家は厳しい見通しを織り込んできた。現実はそれ以上に厳しいことが、ゆっくりと明らかになりつつある。

今年は自動車業界にとって厳しい1年で、期待されたコロナ禍からの回復は今や遠い昔に過ぎ去ったように見える。ストックス欧州600の自動車・部品指数は業種別で鉱業に次いで下落率が大きい。中国と欧州連合(EU)の貿易摩擦や利幅低下が株価を圧迫している。

自動車・部品指数は4月のピークから24%下落し、10日には約10カ月ぶりの安値を付けた。欧州最大の自動車メーカーであるドイツのフォルクスワーゲン(VW)の株価水準は、過去最低のバリュエーションだ。

 

欧州自動車株について、「短期的な反発は常にあり得るが、反発が持続する地点にはまだない」とバンク・J・サフラ・サラシンの株式ストラテジスト、ウォルフ・フォンロートベルク氏は指摘。「市場自体の構造的な変化、欧州域内の問題、循環的な景気下降の見通しが一気に襲ってきているからで、これが自動車メーカーの需要と利益を一段と押し下げる恐れもある」と述べた。

フォンロートベルク氏はドイツの3大自動車メーカーが中国の需要に依存し過ぎているとの見方を示した。BMW、メルセデス・ベンツグループ、VWはそれぞれ販売台数の3分の1以上を中国であげている。業界全体で過剰な生産能力が利幅を抑え、リバランスには数カ月、長ければ数年を擁する可能性があると、同氏は指摘した。

 

原題:Things Are Going From Bad to Worse for European Carmaker Stocks(抜粋)

--取材協力:Lisa Pham.

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