(ブルームバーグ):11日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=142円台前半と、前日夕から上昇して推移。海外市場では世界的な景気減速懸念からリスク回避の円買いが優勢だった。東京市場は米大統領選候補者討論会を見ながらの展開になりそうだ。

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、「中国の輸入データが弱く、世界的な景気鈍化が意識される中で円が買われた」と指摘。米大統領選討論会については「トランプ氏が巻き返せばドルが買い戻される可能性がある」とした上で、「相当良い印象を与えないと難しいのではないか」との見方を示した。

日本時間午前10時から米大統領選候補者討論会が行われ、共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領が初めて直接対決する。勢いを失いつつあるトランプ氏が巻き返せるかが焦点となっている。

米大統領選討論会、トランプ氏とハリス氏が迎える天王山-勝敗の鍵は

10日の海外市場では、原油の国際指標である北海ブレント先物が1バレル=70ドルの節目を割り込む中、米10年国債の利回りが3.63%程度と2023年6月以来の低水準を付けた。金利スワップ市場では9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを3割弱織り込んだ状態が続いた。

11日の東京市場では、日本株が底堅く推移すればリスク回避的な流れはいったん止まり、ドルが買い戻されそう。また、日本銀行の中川順子審議委員の講演と会見が予定されている。ブルームバーグ・ニュースは10日、日銀は今月の金融政策決定会合で政策を据え置く公算が大きいと報じた。

三井住友信託の山本氏は、8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見の雰囲気が強まるとみている。「日銀のタカ派委員の発言に市場の関心が高い」ことから、12日に予定されている田村直樹審議委員の講演と会見に注目していると述べた。

 

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