今、関心が高い話題を詳しく解説する急上昇ニュースです。今回は進化を続ける新しい買い物のシステム「セルフレジ」です。担当は佐藤樹理アナウンサーです。
(佐藤樹理アナウンサー)
「買い物客が自分でお会計の作業をする「セルフレジ」。コンビニやスーパーなどでよく見かけるようになりましたが、中塚さん、長尾さんは使っていますか?」
(中塚美緒キャスター)
「本当に最近、よく見るようになりました。一人暮らしで買い物をする機会も増えたんですが、まだ使ったことがないです」
(長尾龍希キャスター)
「そうなんですか?私はよく利用しているコンビニやスーパーがこのセルフレジのスタイルなので、ほぼ毎日使っています」
(佐藤樹理アナウンサー)
「こちらのグラフをご覧ください。スーパーマーケットを運営する企業を対象にした全国調査によりますと、約8割の企業が、店員が商品をスキャンし支払いは客がする「セミセルフレジ」を導入していて、増加傾向だということです。中には、このように(実演しながら)買い物カートに入れる時に客が自分でバーコードを読み取っていくスタイルも展開されています。進化するセルフレジ、最前線を取材しました」
岡山市のイオンモール岡山にあるスーパーマーケット「イオンスタイル」で2024年4月に導入されたセルフレジが「レジゴー」です。使うのは専用のアプリをダウンロードしたスマートフォンか、店頭で借りられる専用の端末機器。どちらか1つをカートにセットして買い物スタートです。
■イオンリテール中四国カンパニー広報 山名貴美香さんの説明を受けながら佐藤アナが「レジゴー」を体験
「サニーレタスを取ります」
「まずは(アプリの)スタートボタンを押します。スキャンボタンを押して、カメラのところに(バーコードの)読み取りができますので」
「ピッ、と言いましたね」
「かごに入れていただきます」
「(アプリの)画面上にも「サニーレタス 1点」と入っています」
端末に表示されるのは商品の名前と価格。買い物の最後にレジでまとめてスキャン、ではなくカゴに入れる時に商品をその都度スキャンする仕組みです。「イオンスタイル」を運営するイオンリテールが4年前に始めたサービスで、現在、全国で300店舗以上が導入しています。
(レジゴーを使っている人は…)
「レジゴーだとすぐに会計を終わらせられるので、たくさんまとめて買う」
「この子が好きなので(使っています)。必ず使います」
「設置されているのが珍しくて子供が使いたがる。(子供に)楽しい?
「楽しい」
商品を全てカゴに入れたら残るはお会計だけ。レジ待ちの時間がほとんど発生しないため、時間を有効に使うことができます。
しかし、なかにはこんな声も。
(レジゴーを使っている人は…)
「(スキャンを)忘れて(カゴに)入れてしまいスキャンしないことがたまにある。それでいやです」
レジゴーの導入店舗でこのサービスを利用している客の割合は約2割。しかし、店側にはある意外な効果があったといいます。
(イオンリテール中四国カンパニー広報 山名貴美香さん)
「レジゴーを使わずにレジを通った人よりもレジゴーを使ってレジを通った人のほうが、1人当たりの客単価が約130パーセント多いとのデータが出ている」
導入後、客1人当たりの平均購入額が約1.3倍に。小売業のIT事情に詳しい専門家は理由をこう分析します。
(店舗のICT活用研究所 郡司昇代表)
「カートを使うから楽。スキャンしてカートに入れるだけでいい。商品を売り場から持ってきてスキャンすることに専念できる。重さを感じないので買い上げ点数が必ず上がる」
レジゴーの利用者の多くは買い物カートを使うため、たくさん商品を買っても重さを感じることなく身軽に歩くことができます。そのため店内を広く周り、普段よりも多く買い物をする可能性が高まるといいます。
(店舗のICT活用研究所 郡司昇代表)
「スーパー・ドラッグストア、ホームセンターなど業態にもよるが、一般的に(カートを使うと)2~3割上がる」
(中塚美緒キャスター)
「レジゴーの導入で1人当たりの客単価が30%上がったというデータは大変興味深い数字ですね」
(佐藤樹理アナウンサー)
「店側のメリットはもちろんですが、スキャンすることが習慣づけば、端末を見ればカゴの中身がひと目で確認でき、買い忘れの防止にもなるということで、客側からみてもメリットがありそうです。
一方、OHKが行ったアンケートでセルフレジを使ったことがない人に理由を聞くと「面倒くさい」「使い方が分からない」と回答した人が大半を占めました」
(長尾龍希キャスター)
「確かに使いこなせれば便利なんですが、最初は戸惑いますよね」
操作が自分に出来るかなど不安に思う人もいると思いますが、香川県でも人気のうどん店「こがね製麺所」などを展開する会社が2023年、滋賀県でセルフレジを開発する「自動レジ研究所」と協力して開発した画期的なセルフレジを発表したんです。
それが「完全なる手ぶら決済」。一体どんなシステムなのでしょうか?」
そのセルフレジがあるのは滋賀県の「こがね製麺 草津栗東店」です。まず、店に入るとタッチパネルでうどんの種類を選びます。一見、普通のセルフうどん店のようですが、実は天井にある複数のカメラが1人1人の客の動きを追跡。天ぷらや唐揚げなどを手に取るとその重さの変化から客がどの商品を選んだか自動で把握し、レジにデータを送ります。そして最後は顔認証でお会計。あらかじめ情報を登録する必要はありますが、財布やスマホを取り出すことなく手ぶらで全て終了です。
(長尾龍希キャスター)
「このように店員を介さずに買い物ができる店は今後増えていきそうですね」
店舗のICT活用研究所の郡司昇代表は「セルフレジの導入で人件費が削減でき、店には新たなサービスを考える余裕が生まれる」と話していました。店側も消費者側もウィンウィンとなるようなセルフレジの進化が今後も期待されます。
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