コメの品薄・価格高騰の影響はどこまで広がるのでしょうか。ご飯の大盛り、おかわり無料サービスを中止せざるを得ない店が相次いでいます。

■ご飯大盛り・おかわり無料中止 ライス類休止のラーメン店も

肉汁をたっぷり含んだ、看板メニューのからあげにあわせるのは、ふっくら炊きあげた白米。

高柳光希キャスター
「(唐揚げ)おいしい。ご飯が進みます。すごいジューシーで、かんだ瞬間に肉汁が出てきます。(ご飯を)大盛り食べたくなりますね」

まさにご飯がすすむこと間違いなしの一品ですが…

高柳光希キャスター
「大盛りが+100円で、特盛りだと+200円と書かれています」

千葉県柏市にお店を構える「わとか食堂」では、これまで定食のご飯や丼の大盛りは「無料」だったのですが、9月から「+100円」の有料に。

わとか食堂 髙野紀子 代表取締役
「大手チェーンのお店と違って個人でやっているお店なので、お米の仕入れがどうしても高くなってしまうということで、今回1.5倍に上がると(問屋に)言われてしまったのが結構大きかった」

食卓だけではなく、飲食店も頭を悩ませるコメ不足。そこで、こちらのお店では苦肉の策として…

わとか食堂 髙野克巳 オーナーシェフ
「次回ワンドリンクまたはご飯大盛りサービスになっております」

新米の価格が下がることに期待しつつ、なんとかお客に喜んで欲しいと次回以降使えるクーポンを配布することに。

お客さん
「有料になったということで(大盛りを)ちょっと躊躇しちゃいました。もう1回来たいと思います、こういうのを頂くと」

横浜にある炭火焼きのお店では、お米に関する“あるサービス”が中止に…

脂がのったジューシーな焼き魚にあわせるのは、京都にある老舗米店がこのお店専用にブレンドしたこだわりのお米です。

お客さん
「甘みとか粒が立っていて美味しい」

店自慢のご飯はおかわり無料。お米が食べたいと多くの客が訪れ、1日に20キロも炊くといいます。

きょうのランチでもおかわりが続出。

お客さん
「美味しいおかずがあると、ご飯をもっと食べたくなっちゃう」
「若い子とかもがっつり食べられる。炊き立てなので、マジでうまいです」

しかし、米の価格高騰などによりオープン以来続けてきた「おかわり無料」サービスを早ければ9月中にも中止することに。

お米にこだわり営業しているため、価格が安いからといって他のお米に変更はできません。

お客さん
「ちょっと悲しいですね。でもこれくらい美味しいなら関係なく行きます」
「早くお米が安定したらいいなと思います」

ラーメン店では、ついにご飯ものの提供をやめるお店も。

刻み玉ねぎと濃い醤油ベースのスープがくせになる「八王子ラーメン」を提供するこちらのお店では、8月13日から100円のライスと50円の半ライスの提供を当面休止することに。

お客さん
「ラーメンと半ライスというのをよくしていました。最近はなくなったのでラーメンだけですけどね」

弘富 小川太 店主
「お米が安定して入らないのが一番の原因ですね。秋田の知り合いの農家から仕入れているが、そこからも入らないと言われてしまったので、ちょっと出せる状況じゃないかなと思って」

新米が出回り、価格が安定しないとライスの提供が難しいといいます。

弘富 小川太 店主
「できれば値段を上げずに(価格が)落ち着くまで待ちたいなというのが正直なところ」

■米不足で味噌メーカーも苦心 「加工米の新米流通は2か月後」

外食産業や一般の家庭に影響が出ているのはもちろんですが、こういったところにも影響が及んでいます。

広島市の老舗みそメーカー「新庄みそ」です。みその主な原料は、大豆、塩、米麹となっています。大豆は2023年から高騰が続いています。

米麹には加工米を使用していますが、ほかにも清酒やせんべいなどの米菓、そして焼酎なども加工米が使われています。こういった業者の間で、“争奪戦”が繰り広げられているということです。

新庄みその山本美香社長は「加工米の新米は主食用より2か月ほど出回るのが遅い。現在の在庫量ではこの先もつかどうか…」としています。

新米が出ても、値上げを検討せざるを得ないという状況もあるようです。

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