“令和の米騒動”ともいわれる深刻なコメ不足は、救世主と期待されている秋の新米の流通で解消に向かうのか、福岡の現場を取材しました。
私たち、日本人の日々の食卓に欠かせない「白いご飯」。
そんなコメをめぐりいま、スーパーでは購入に頭を悩ませる買い物客の姿が…。
◆買い物客
「高いね。2割か3割ぐらい高くなっている」
◆買い物客
「やっぱり高くて手が出ない」
“令和の米騒動”ともいわれているコメ不足。
去年の猛暑による不作の影響や防災意識の高まりなどでコメの需要が拡大したためとされていますが、価格の高騰に全国のスーパーが頭を悩ませています。
◆スーパー店長
「去年のこの時期と比較して、1.4倍、4割増しくらいになっている」
コメ不足解消に向けて期待されているのが、この秋に収穫される新米です。
5日、取材班が訪れたのは福岡市内のコメの販売店。
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「このあたりに積んであるのが新米。ここ3日間ぐらいで入ってきた分です」
積まれていたのは「夢つくし」や「ミルキークィーン」といった福岡県産の新米約10トン。
しかし例年と比べると入荷量は少ないといいます。
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「感覚で言うと7割。新米に関しても競争が激しいようで」
まだ新米が出始めたばかりのため、コメ不足が解消されるほどの供給量はなく、こちらでは1世帯5キロまで、販売に制限をかけています。
そして、気になる価格は1キロ500円台。
こちらもまだ、すぐに落ち着くわけではなさそうです。
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「高止まりしたままの価格を新米になっても推移し続けている状況。当店の昨年比でいっても40~50%は価格が上がっている」
これから新米の出荷が本格化することで、コメの品薄は解消されるのでしょうか?
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「確実に供給量は緩やかですが、安定してくると思っています。価格については、しばらくは高値が続いていくのかなという印象です」
今後の見通しについて3日、坂本農水大臣も同様の見解を口にしました。
◆農林水産省 坂本哲志 大臣(3日の会見)
「新米の価格については、この品薄状態でありますので、平年よりも多少の割高感はあると思っています。このコメ不足状態は解消するだろうと思っています」
◆専門家「新米の流通だけでは解決しない」
一方、専門家は、新米の流通だけでは根本的な解決にはつながらないと指摘します。
◆グローバル戦略研究所 山下一仁 研究主幹
「今年の9月~来年8月まで供給される今年度産のコメを先食いしている。先に食べているわけですよ。普通の年だったら前年産のコメを食べているわけですよね、今の時点では。来年の8月になると、また同じことを繰り返す」
なんらかの対策を講じなければ、毎年夏にコメが不足し、混乱が生じるおそれがあるというのです。
また専門家によりますと、まもなく収穫される今年の新米も、夏の猛暑の影響で割れた米が多かったり白く濁った色になったり高温障害になっている可能性もあるということです。
福岡県産の新米が流通し始める時期ですが、取材した販売店によりますと「夢つくし」が9日の週から、「元気つくし」は9月末から、「ヒノヒカリ」は10月から順次店頭に並び始めるということです。
日本の食卓を襲った“令和の米騒動”。
解決には抜本的な改革が必要とされているのかもしれません。
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