(ブルームバーグ):4日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=145円台前半と前日夕から上昇。日本銀行の植田和男総裁の発言を受けた円買いの流れに加え、米国の株価下落や長期金利低下を受けてドルが売られた。金融緩和の調整を進める日本と、利下げに向かう米国との金融政策の方向性の違いが改めて意識されている。

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、「米金利が大きく低下したことや米製造業指数が市場予想に届かなかったことでドルが売られ、米株価が大きく下げてリスクオフ的な動きで円が買われた」と説明。植田日銀総裁の発言も円買い材料となり、値動きが大きくボラティリティー(変動率)が高いと指摘した。

3日の米株式相場でS&P500種株価指数は世界の金融市場が大きく揺れた8月5日以来の大幅安となり、米10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。米供給管理協会(ISM)が発表した製造業景気指数は8カ月ぶり低水準となった前月から小幅改善したが、節目の50を5カ月連続で下回り、製造業活動の低迷が当面続く公算が大きいことを示唆した。

日銀の植田総裁は3日、政府の諮問委員会に対し、経済と物価見通しが予想通りに推移していけば、引き続き政策金利を引き上げる方針を改めて示した。三井住友信託銀の山本氏は、発言内容はそれほど目新しいものではないが「日銀のタカ派化が依然として警戒されている」と指摘した。

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