リニア中央新幹線の工事の方法について、地元住民から懸念の声があがっています。JR東海は長野県飯田市の橋りょう工事で、基準値を超える重金属を含む「要対策土」を使う計画です。22日、JR東海の丹羽社長は「専門家の意見も交えて安全性を確認していく」と述べました。
大鹿村で進む南アルプストンネル工事。
掘り出した土のうち土壌汚染対策法の基準値以上の重金属を含む「要対策土」の処分が課題となっています。
JR東海は「流出対策」をした上で、「要対策土」5000立方メートルを飯田市の土曽川橋りょう工事で活用する計画で、今年に入って住民説明会で初めて公表しました。
しかし、一度の説明では納得できないのが地元住民。安全性への懸念や計画に関する十分な説明を求める声があがっています。
住民(80代):
「われわれの代で何ともなくても、子や孫の代になったときにどうなのかという心配はある。できればそんなのここへ持ってきてほしくない」
住民(70代):
「こういう工事が進んでるので、仕方ないという面もあるけど、そういう害があるということが分かってるなら、それの対策はとってもらいたい」
飯田市の佐藤市長もー。
飯田市・佐藤健市長:
「理解が得られていないということであれば、引き続き丁寧な説明を求めていく。安全性が確認される形でのデータ公表とかしっかりした情報公開が必要」
22日のトップ会談ではー。
長野県・阿部守一知事:
「事前に自治体と協議した上で施工後もモニタリング調査や住民への情報共有をしっかり行って安全安心を担保していただきたい」
JR東海・丹羽俊介社長:
「地元の方々の懸念がないように。ご安心いただけるように、専門家の助言をもらったり、国にもマニュアルがありますので、それを踏まえて安全性を確認していく」
「要対策土」の搬入は早ければ9月にも始まる予定です。
市民有志は団体を作り丁寧な説明がないままこのまま計画が進めば「反対する署名活動」を行う方針です。
リニアから自然と生活環境を守る沿線市民の会・大坪勇さん:
「もし対策土がとけて出るようになれば地域住民にとっては大変な問題になりますから、(JR東海は)私ども住民の心配をきちんと解決して進めてもらいたい」
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