(ブルームバーグ):中国で石炭や原油など主要商品の在庫が積み上がっている。経済活動がなお弱く、鉄鋼や大豆などさまざまな商品価格を押し下げている余剰の解消に至っていないことが浮き彫りになっている。

中国政府の成長率目標は達成がますます難しくなっているように見受けられ、世界最大の商品輸入国である中国向けに供給している掘削企業や鉱山会社、農家にとっては歓迎できない事態だ。

在庫急増は、コロナ禍後の景気不振によって一部トレーダーが窮地に陥ったことを示唆している可能性がある。中国経済が従来型から新しい形に移行する度合いを過小評価していたトレーダーもいるとも考えられる。

もっとも、こうした在庫は国内の工場や市民を品不足から守ることを中国政府が重視している証しでもある。好況期でも中国の在庫は膨大だ。JPモルガン・チェースの調査によれば、中国は世界の銅在庫の9割強、原油の25%近く、トウモロコシや小麦などの主食用作物の半分余りを保有する。

中国の消費と産業活動が低迷しているのは間違いない。だが、どんな状況でも国家として十分な在庫を確保する使命がある中国の国有輸入業者は、購入のタイミングを間違えてもさほど悩まない可能性がある。

2021年と22年の電力不足をきっかけに、中国のエネルギー安全保障にあらためて目が向けられた。これに対応するため政府は主要な燃料である石炭の生産を拡大し、輸入を記録的な水準を押し上げた。

原題:China’s Bulging Commodity Stockpiles Show Depth of Economic Woes(抜粋)

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