(ブルームバーグ):イスラエル最大の労働組合、労働総同盟は2日に全国ストライキを実施する構えだ。パレスチナ自治区ガザでの停戦を政府に強く求めるとともに、イスラム組織ハマスが拘束している人質の解放実現に向け、これまでで最も強い働きかけとなる。

ガザ地区のトンネルで人質6人の遺体が発見された後、イスラエルでは1日、全国の都市で数十万人の市民がデモに参加。今回の抗議活動は昨年10月7日にハマスがイスラエルを奇襲攻撃して以来最大規模とみられる。検視官によれば、遺体で見つかった6人は発見までさほど時間がたっておらず、それぞれ何度も撃たれていた。

人質解放を求め政府に抗議するデモに参加するイスラエル市民(テルアビブ、9月1日)

抗議行動とスト計画はともに、ネタニヤフ首相に対する深い怒りを映し出すものだ。ガザで捕らわれている人質約100人の安全な帰還を優先するのではなく、戦争を長引かせていると批判されている。軍事衝突は既にヨルダン川西岸地区と隣国レバノンに広がっており、この地域がより広範な戦争に巻き込まれる恐れがある。

当局者2人がブルームバーグに語ったところによると、1日夜の安全保障閣僚会議は、ガザとエジプトの間にあるフィラデルフィ回廊にイスラエル軍を駐留させるというネタニヤフ首相の主張を取り下げるよう求めたガラント国防相の提案について、決定を下すことなく終了した。この問題はハマスとの交渉で大きな障害になっている。

ガラント氏は8月30日の閣議で、この要求を取り下げなければ人質が殺害されると警告していた。

ネタニヤフ首相は、ハマスが停戦を利用して再軍備や再編成を行うのを阻止し、イスラエルの壊滅作戦を乗り切ることがないようにする上で必要な要件だと弁明している。もしハマスが作戦に耐えれば将来、人質がさらに増えると政府高官は警告している。

最大労組の労働総同盟は1日、2日朝から全国ストを開始すると宣言。国内の主要空港であるベン・グリオン国際空港も対象になる。

原題:Israel Braces for Strike as Pressure Mounts for Cease-Fire Deal(抜粋)

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