品薄が続いているコメ。台風10号により関東でも大雨となっていて、新米の収穫時期を迎えている農家は不安が募るばかりです。


■ナシ農家「慌てて対策」も…

今年最強の風に見舞われた熊本県内。無残に地面に転がるのは名産の1つ、ナシです。

村上果樹園 村上厚さん
「平均すると1〜2割は落ちていると思う。(Q.落ちたものは廃棄)うちは廃棄します」

迷走・停滞した台風10号の動きに対策も翻弄されたといいます。

村上果樹園 村上厚さん
「こっちに(台風が)来ないと思っていたから安心していたら、急にこっちに向きを変えた。だから慌てて台風対策をした。これからお客さんがおいしい物で喜んでいただければ、元を取り返すので。努力します」


■政府「コメの品薄は一時的なもの」

実りの秋を直撃した台風10号。なかでも心配なのがコメです。

大阪府 吉村洋文知事
「8割のスーパー・小売店等が『店頭にありません。在庫ありません』と」

コメの品薄について政府は、8月は在庫が最も少ない時期で、そこに南海トラフ地震への不安による買いだめや、運送業者のお盆休みが重なった一時的なものとみています。吉村知事は備蓄米を放出するよう求めましたが、政府は9月に新米が出回れば品薄は解消されるとしています。

坂本哲志農水大臣
「新米の取引もこれから行われていくなかで、民間流通に影響を与えることは一層慎重になる必要がある。全体的にみて、小売店あるいはスーパーにコメが並び始めたと考えております」


■新米収穫を直撃 出荷は…

その新米、台風による影響は…。茨城県の農家を訪ねると、見渡すかぎりの田んぼで稲穂が倒れていました。

ソメノグリーンファーム 染野実社長
「コシヒカリはどうしても倒伏しやすい品種なので、昨夜からの雨でこんなふうに倒れてしまった。倒伏して気温が高くて水分があるとなると『穂発芽』もみが穂についているのに芽が出てしまう状況になる。そうすると食用には回せないほどおいしくなくなる」

今年は暑さの影響で生育が良く、収穫を始めた矢先の台風でした。雨が降る前にと作業を進めましたが、収穫できたのはまだ2割ほどです。

坂本哲志農水大臣
「台風10号により農林水産業への大きな影響が懸念される。コメの消費については消費者に冷静な対応をしてもらえれば」

「新米が出回れば品薄は解消する」という政府。しかし、濡れて倒れた稲穂は収穫に時間がかかるため、出荷が遅れる可能性があるといいます。

ソメノグリーンファーム 染野実社長
「やはり倒伏してしまうと機械作業の能率が上がらないので、収穫の遅れにはつながる。皆さんの期待に応えられるかどうかは、これからの天候次第。最大限努力はしていきたい」

▶「報道ステーション」公式ホームページ

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。