円安を追い風に、訪日外国人観光客数が過去最高を更新。そして、2024年2月までの1年間で“過去最高”を更新し、今、百貨店が絶好調です。

■百貨店で過去最高益 なぜ?

井上貴博キャスター:
特に都市部の百貨店は最高益など軒並み記録を更新しています。高島屋グループ全体で33年ぶりの最高益です。海外SNSへの情報発信を行っています。また、数多くのバイリンガル店員などを雇用するようにしているということです。

松屋銀座店でも、訪日客向けのアプリで取り置きサービスを6月から新たに始めるということです。

もちろん明るい部分もあれば、明暗きっぱりわかれていて、二極化も大変極端です。
最近、ニュースで取り上げられることが多いですが、1月に島根「一畑百貨店」、2月に埼玉「新所沢パルコ」がそれぞれ閉店、7月に岐阜「岐阜高島屋」が閉店予定となっています。
岐阜と島根ではデパートの数が0になってしまいました。百貨店の店舗数も1999年と比べると2024年2月時点で4割減ってしまっています。

やはりインターネット通販があって、実店舗に行くのならスーパーの方が安いということで、この明暗が大変厳しくなっているということです。

ホラン千秋キャスター:
昔は「百貨店=少しおめかしをしてお出かけしに行く特別な場所」というふうに親世代から聞いていましたけれども、“割安感”ということを考えると、やはりスーパーや通販の方が生活が大変なときにはお世話になる部分があるので、難しいところでしょうね。

井上キャスター:
日本がこれだけ安い国になってきているので、円安が続くとインバウンド需要が高まるというのはいいけれども、どんどん貧しい国に日本はなっていってしまうという側面も忘れてはならないのかもしれません。

そのなかで百貨店も生き残りをかけて、例えば仙台の藤崎百貨店では「ご当地デパート いいもの自慢」と題して、「他の全国百貨店の皆さん、手を携えてやりましょう」と催し物を継続的に行おうとしています。

また、百貨店から専門店にリニューアルしていくという動きもあります。
立川高島屋S.C.は2023年11月「専門店」にリニューアルしました。例えば地下1階のデパ地下フロアは大手スーパーが入り、1階の化粧品・婦人雑貨フロアにはドラッグストアや100円ショップが入りました。

近鉄百貨店は、本店以外の店名から「百貨店」を外す方針を発表しています。
どのような名前を打ち出すのかというのはまだこれから先の発表ですが、百貨店が変貌を遂げるということは間違いなさそうです。

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