■運営費が赤字になった場合、国、大阪府市、経済界のうち負担の主体決まらず

大阪府の吉村知事は、来年の大阪・関西万博について、赤字、もしくは黒字になった場合の対応について、「万博開幕前までに、国と大阪府市、経済界で協議すべきだ」との認識を示しました。

大阪・関西万博をめぐっては、仮に運営費が赤字になった場合、国、大阪府市、経済界のうち、負担する主体がどうなるのか、まだ決まっていません。

■「赤字を大阪府市で負担する考えはある。でも、その時は黒字も大阪府市が全部もらう」

これについて、21日のフジテレビ「日曜報道」に吉村知事が出演した際、元大阪府知事の橋下徹氏が、万博の経済効果について、約3兆円との試算があり、大阪圏が最も恩恵を受けることに触れたうえで、運営費に万が一赤字が出た場合、大阪府市の合計4600億円規模の財政調整基金の一部充てればよいと提案し、吉村知事は、次のように応じました。

【大阪府・吉村洋文知事】(21日の”日曜報道”での発言)「もし赤字が出た場合、大阪府市で負担する考えはある。でも、その時は黒字も大阪府市が全部もらう。それがいいのか、というとそうじゃないと思う」

■「赤字分を大阪府市で負担すべき」は橋下氏の考え「自身の考えではない」と否定

こうした発言について、22日、記者団から問われた吉村知事は、「赤字分を大阪府市で負担すべき」との考え方は、「橋下さんの考えで、僕の考えではない。万博を国家事業として考えた時には、極論だと思う」と話した上で、運営費が赤字または黒字になった時の対応について、国と大阪府市、経済界の間で、万博開幕前までに協議し、方針を決定すべきだとの認識を示しました。

また協議の時期については、前売りチケットの売れ行きの見通しがある程度立ってくる「開幕に近い時期」が適切との認識を示しました。

■「赤字になるとややこしい。誰が払うんやとなる」と関西経済界トップ

万博の運営費が赤字になった場合の負担を巡っては、関西経済界のトップ、関西経済連合会の松本正義会長が、今月15日の会見で「機運醸成をやることで切符(入場券)をたくさん買ってもらって赤字にならないようにしないといけない。赤字になるとややこしい。誰が払うんやとなるわけで」と話し、赤字にならないように「関東で機運を高める必要がある」との考えを示しています。

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