(ブルームバーグ):ソフトウエア企業による人工知能(AI)投資のリターンがいつ見え始めるのか。投資家の間で強まるこの重要な疑問にセールスフォースの決算発表が明確さをもたらす可能性がある。

チップやサーバーなどAI関連のハードウエア投資は依然として堅調で、大手企業も最近、AI関連の設備投資計画を肯定しているが、AIの機能やサービスを提供する企業については様相が大きく異なる。ソフトウエア株は2024年に苦戦し、テクノロジー業界の他分野に大きく後れを取っている。AIが成長加速と効率性向上をいつ実現するのか投資家のいら立ちは強まっている。

顧客対応ソフトウエアを手掛けるセールスフォースは、AIによる収益押し上げの可能性を売り込んできたが、前四半期に同社は増収率が過去最も低調になる見通しを示し、株価は04年以来最大の急落に見舞われた。今月28日午後に発表が予定される同社の決算がAIによる成長への転換に近づいていないことを示すものであれば、AIトレード全体の持続可能性に新たな疑念を投げかけることになりかねない。

ラウンドヒル・インベストメンツのデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)は、「AIの成長がいつ本当に訪れるのか、もっと明確になることを求めている」とコメント。「セールスフォースが1桁台の成長しかできないのであれば、絶好の買い場には見えないし、AIが25年かそれ以降まで利益を生まないのなら、投資家はソフトウエア全般について行動を抑えるだろう」と予想した。

今年はAI投資ブームが半導体メーカーやハードウエア企業の株価を後押ししている。半導体株の主要指数は今年25%上昇し、ナスダック100指数(17%高)やソフトウエア株指数(6.8%高)を上回るペース。セールスフォースは27日に約0.4%下落し、年初来ではほぼ変わらず。

投資家の中には、AIが長期的にソフトウエアのトレンド改善につながると楽観視する向きもいるが、最近の決算は期待を打ち砕いている。ブルームバーグの集計データによると、今回の決算発表シーズンに利益で市場予想を上回ったのはS&P500種株価指数のソフト企業の88%に上ったが、売上高で予想を上回ったのは41%にとどまった。ハイテクセクター全体では、利益で市場予想を上回ったのは全体の81.5%、売上高では61%。

先週、スノーフレイクの株価は、AIに関する同社の立場について投資家を安心させることができない見通しを示したことで下落した。一方、ワークデイの株価は、収益性をより重視する姿勢を示したことで上昇した。

セールスフォースの業績がスノーフレークのように受け止められるのか、ワークデイのような反応を引き起こすのかは、幅広い意味合いを持つ。セールスフォースの株式時価総額はソフトウエア株指数構成銘柄でマイクロソフトとオラクルに次いで3番目の大きさだ。

原題:Salesforce Results a Key Test for Software Stocks Spending on AI(抜粋)

--取材協力:Subrat Patnaik.

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