(ブルームバーグ):S&P500種株価指数は今週、企業の自社株買いとシステマティックファンドやリテール投資家からの強いフローに押し上げられて過去最高値を更新し、市場ではFOMO(取り残される不安)が広がるだろうと、ゴールドマン・サックス・グループのスコット・ルブナー氏は予想している。
グローバルマーケッツ部門マネジングディレクター兼タクティカルスペシャリストの同氏は「今週は企業やコンピューターシステムからのエモーショナルではない投資需要が1日当たり170億ドル(約2兆4500億円)相当あると推計している」と、26日の顧客リポートで説明。「9月16日までの3週間は、株式取引には非常にポジティブな買い場になる」と述べた。
ルブナー氏は連邦公開市場委員会(FOMC)のハト派転換がレバレッジ再開の青信号を出したと、ゴールドマンのトレーディングデスクの認識を繰り返した。この見方はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長による23日の発言で裏付けられたという。従って「株式のペイントレードは9月中旬にかけて水準が高くなっていく」とした。
ゴールドマンは向こう1週間で商品投資顧問業者(CTA)による「グリーンスウィープ」をモデル化。こうしたファンドは株式取引いかんにかかわらず買いを入れる可能性が高いという。同社のコーポレート・バイバック・デスクでは先週、前年同期の2倍を超える需要があり、週間ベースでは今年最大だったと指摘。強い需要は四半期のブラックアウト期間が到来する9月13日まで続く見通しだという。先週はまた、世界の株式に200億ドルのパッシブ資金が流入した。
「誰もが戻って来る」とルブナー氏。「米国のシステマティック戦略のエクスポージャーは、ダウンサイドに行き過ぎてしまっている」と述べた。
しかしながら需要は3週間後に底をつくかもしれないと、ルブナー氏は警告する。
市場を待ち構える次の試練は、28日の引け後に発表されるエヌビディアの決算だ。収益は前年実績の2倍を超えると予想されている。オプション市場からは決算発表日の株価変動を約9.35%、時価総額の変動を2980億ドルと予想していることがうかがわれると、ルブナー氏は計算している。
ルブナー氏はヘッジファンドがハイテクセクターのポジションを手放したことに触れ、「ハイテク株へのファンダメンタルな売りを考えると、今期のエヌビディア決算に対するハードルはここ数四半期よりもかなり低い」と指摘。「エヌビディア決算が28日に予想を上回った場合の状況を想像できるか」と問いかけた。
原題:Goldman’s Rubner Sees S&P 500 New High This Week, Spurring FOMO(抜粋)
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