(ブルームバーグ):米労働市場が従来の想定以上に軟化していることから、米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げはペースが加速し、幅も大きくなるとエコノミストらはみている。ブルームバーグが実施した最新の月間調査で明らかになった。
8月の調査では、エコノミストらは失業率が年末までに4.4%でピークを付け、2025年半ばまで同水準で推移するとの見通しを示した。また雇用者数については、1カ月前の調査時より小幅な伸びを予想した。
フェデラルファンド(FF)金利については年末までに75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き下げを予想。7月調査では50bpの引き下げを見込んでいた。8月調査では、25年から26年にかけて金利低下ペースが速まると予想している。
今回の調査は、7月の雇用統計発表後となる8月16-21日に実施された。同統計では雇用者数の伸びが市場の予想以上に減速。失業率は4カ月連続での上昇となった。失業率上昇により、米連邦準備制度理事会(FRB)の元エコノミスト、クラウディア・サーム氏が考案した「サーム・ルール」上、リセッション開始の目安となる数値に達した。株式相場は大きく売られたが、その後に発表されたデータがより緩やかな景気減速を示唆したことから、株価は回復してきている。
ただそれでも今回の調査では、FOMCの利下げ開始が一歩遅れており、労働市場に過度のストレスをもたらすリスクがあるとエコノミストが考えていることが示唆される。
ウィルミントン・トラストのチーフエコノミスト、ルーク・ティリー氏は「FF金利を5.5%としていることに関して、経済データに基づく論拠はない」とし、「ブレーキペダルを緩める時だ」と述べた。
原題:Economists See Faster Labor Cooling, Steeper Fed Cuts in Survey(抜粋)
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