(ブルームバーグ):大和証券グループ本社は、海外の投融資事業を初めて農業セクターにも広げるためオーストラリアに狙いを定めている。同国の不動産および再生可能エネルギー分野への融資および直接投資を拡大する幅広い取り組みの一環。

大和証Gは、同社が付加価値のある農産物生産業者と見なす企業への投融資の機会を探っていると、吉田光太郎最高財務責任者(CFO)は説明。同社はさらに、オーストラリアの4大銀行やノンバンクではカバーされていないニッチ市場を埋めるため、中規模不動産デベロッパー向け融資も目指しているという。

荻野明彦社長は今後数年間で海外からの収入を約40%増やすことを目指している。大和証Gはオーストラリアの国立科学機関のベンチャーキャピタル部門に投資している。

日本の長年にわたる農業労働力不足は農業工業化を促し、オーストラリアの農産物生産業者に対し、同様の技術的改善のモデルを提供していると吉田氏は指摘した。大和証Gは、これら業者に直接投資や融資を行う可能性がある。

吉田氏は20日、「これら業者が成長し、われわれが日本へと導くことができれば素晴らしい」とシドニーとメルボルンで初めて行われた同社の日本株コンファレンス後のインタビューで語った。これら業者が「日本企業と協力し、さらに成長することができる」と付け加えた。

吉田氏はさらに、大和証Gがシドニーとメルボルンのスタッフ5人を活用し、クリーンエネルギーの分野で融資やアドバイザリー事業に引き続き注力したいと語った。

同社の中田誠司会長(当時社長)は昨年、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、中長期的な海外戦略として、オーストラリアでの事業拡大に「もう少し踏み込んでもいいと思っている」と意欲を見せていた。

原題:Daiwa Plans Foray Into Australian Farm Loans, Real Estate(抜粋)

--取材協力:中道敬.

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