新NISAのスタートと同時に残高を大幅に伸ばした「オルカン」を徹底分析。

(イラスト:奈良裕己)

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日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新。新NISAもスタートするなど、資産運用には絶好のチャンスが到来している。『週刊東洋経済』4月27日-5月4日 合併号の第1特集は「1億円を目指す 資産運用大全」だ。今や資産1億円も夢ではない。※本記事は2024年4月29日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。『週刊東洋経済 2024年4/27・5/4合併号(1億円を目指す資産運用大全)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

1月9日、市場関係者の度肝を抜くような出来事が起きた。ある投資信託が、たった1日で1013億円もの資金を集めたのだ。

この投信とは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」と呼ばれる商品だ。

オルカンは個人投資家からの人気を集めており、2018年10月の設定からわずか約5年半後の24年4月9日に純資産残高で3兆円を突破した“お化けファンド”だ。

それだけでも十分すごいのだが、オルカンが23年12月に集めた1088億円と同程度の資金を、わずか1日で集めたとあって、業界関係者たちを驚かせたのだ。

「今年1月から始まった新NISA(少額投資非課税制度)が後押ししたのではないか」(金融関係者)との見方がもっぱらだ。

桁外れの増加スピード

確かに、新NISAが始まって以降、オルカンの勢いはとどまるところを知らない。

下の図を見ていただきたい。

これはオルカンの受益権口数の推移をグラフ化したもの。これを見れば明らかなとおり、設定以来、右肩上がりで増加してきたが、新NISAがスタートした24年1月からの増加スピードは桁外れで、ついに1兆2000億口を超えた。

ある飲食店に勤める20代前半の女性は、「年金をはじめとする老後資金に不安を感じて新NISAを始めました。何を買おうかなぁと考え、スマホで情報収集した結果、やっぱりオルカンからかなぁと思って決めました」と語る。

初心者を中心に人気は絶大

また今年投資デビューをしたという30代前半のサラリーマンも、「投資経験の長い部長から、とにかくオルカンを買っておけば間違いないと言われて決めました」と明かすなど、投資初心者を中心にオルカン人気は絶大なのだ。

ではオルカンとはいったい、どのような投信なのか、後編で詳しく見ていくことにしよう。

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