物価高が続くなか、スーパーに並ぶ商品の値下げを「従業員が投票で決める」という取り組みが注目を集めています。なかには3割を超える値引きも。
■ダイドー「缶コーヒー」値下げも
「値上げ」ではなく「値下げ」のニュースです。
ダイドードリンコは2つの商品の値下げを発表。自動販売機での推奨価格を140円から120円にします。
値下げの理由については「高い品質や味わいを保ちつつ、価格においても魅力ある価値を提供したい」としています。
「帝国データバンク」によりますと、今月も642品目が値上げ。
70代の人
「1万円で買えるものの、個数は減ったような気がする。大変は大変」
■スーパー従業員が“値下げ投票”
世の中に広がる“値上げ疲れ”。そんななか、独自の値下げで他社との差別化を図るスーパーがありました。
アピタ東松山店 岡崎大志店長
「こちらの牛乳…」
193円だった1リットルの牛乳が171円に。割引のPOPには「従業員の熱い要望を価格に反映します」の文字が。
「値下げする商品」には、このスーパー独自の決め方があるといいます。
アピタ東松山店 岡崎大志店長
「授業員が投票して決める『価格総選挙』を実施している」
従業員が値下げ投票。どんな仕組みなのでしょうか。
関東甲信越や東海などでスーパーマーケット「アピタ」などを展開する「ユニー」では、値下げする商品と価格を従業員の投票によって決める「価格総選挙」を実施しています。
スーパーで働く従業員は総菜や生鮮食品を除く「食品」と「日用消耗品」を対象に「値下げしてほしい」と思う商品と希望の価格を投票。それをもとに店長が最終的に価格を決断します。130の店舗ごとに選ばれた商品を含む最大300品目で値下げされるという流れです。
衣料品売り場の従業員が投票したのはトイレットペーパー。12ロールが22円引きで537円に。
選んだ理由は…。
衣料品売り場の従業員
「今、何かと高くなっているので、毎日使うものをメインとして考えている」
値下げ商品の決定に消費者の本音を反映させるのが狙いです。
消費者
「すごいうれしいですね。より買いたくなる」
なかには超お得な3割を超える割引率の商品もありました。一息つきたい時にほしくなるあれです。
■従業員投票で 3割引き商品も
そこで働く従業員による投票で値下げ商品を決めるスーパー。お菓子売り場の従業員は勤務中に、ふと投票先を思い付きました。
お菓子売り場の従業員
「品出しをしている時に見つけました。値段も高くなっちゃったので、こちらを選びました」
アピタ東松山店 岡崎大志店長
「私や本部の人間が選ばないようなもの、そういうのが実際、何倍も売れている商品もある」
地域によっても投票内容に特性があり、中京エリアの1位は「赤だしのみそ」、北陸は「富山県メーカーの調味料」、関東は「キャノーラ油(取手付)」でした。
なかには3割を超える割引率の商品も。東海地方のある店舗では148円の“カップ入りのカフェラッテ”が94円と、脅威の割引率の商品もあったそうです。
どのように、この値下げを実現しているのでしょうか。
スーパーを展開する企業では値下げを実現させるため、約2年前からプライベートブランドの商品の開発も強化。その利益を充てるなどして「値下げ」を実現しているといいます。
スーパーでは来月にも新たな価格総選挙を実施。値下げ商品の入れ替えをしていく予定です。
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