(ブルームバーグ):中国は地方政府が売れ残り住宅を買い取ることができるよう新たな資金調達手段を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。政府が先に打ち出した一連の支援措置は市場の下支えに寄与しなかった。

新たな提案は、地方政府がいわゆる特別債を発行して住宅購入資金を賄うことを可能にするもの。特別債の使途は現在、インフラや環境プロジェクト向けなどに限定されている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

地方政府は今年すでに特別債発行枠3兆9000億元(約80兆円)の半分以上を使用している。この計画が承認された場合、残りのどれだけの部分が住宅購入に向けられるかは不明だ。

資金調達手段を巡る新たな検討は、中国当局が不動産危機に歯止めをかけることを喫緊の課題と捉えていることを浮き彫りにしているが、今回の提案も過去の試みがぶつかってきた同じハードルの多くに直面することになりそうだ。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、既存の救済基金から利用可能な5800億元のうち、これまでに使われたのは、中国人民銀行(中央銀行)の資金で住宅購入を支援する取り組みを含めわずか8%程度に過ぎない。

BIのアナリスト、クリスティ・フン、モニカ・シー両氏は、中国の不動産セクターを救済するための追加的な大型対策は構造的な問題の継続に加え、こうした救済措置を実行に移す実質的な難しさを考えると、業界の根本的な見通しを好転させるまでには至らないかもしれないとの見方を示した。

公式データによれば、中国には7月時点で3億8200万平方メートルの売れ残り住宅があり、これは米デトロイトの面積に匹敵する。

住宅危機はここ2年ほど、労働市場や消費、家計資産などあらゆる面に悪影響を及ぼしてきた。習近平国家主席は先月、多額の債務を抱える地方政府の財政を強化し、地方の不動産市場規制について地元政府の自主性を高めるという目標を発表したが、この構想の詳細公表は今のところ限定的だ。

財政省にコメントを求めたが、すぐに返答は得られなかった。

原題:China Weighs Letting Local Governments Issue Bonds to Buy Homes(抜粋)~

(BIアナリストのコメントなどを追加して更新します)

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