北海道根室市の花咲港で、秋の味覚サンマが初水揚げされた。近年続いているサンマの不漁。果たして今年は?
■去年上回る量も…札幌初競りで高値
花咲港で「サンマ」初水揚げ この記事の写真サンマの水揚げ日本一を誇る根室市の花咲港で16日、初水揚げされた。
初水揚げの量は、去年の469キロを大幅に上回る67トンだった。
漁師「(Q.笑顔ですね)去年より若干いいもんだからね」 初競り価格は1キロ626円
初競りの最高値は、1キロあたり626円。去年の14万400円に対して、200分の1以下となった。
とれたてのサンマは早速、市内の店頭に並び、この店では1匹80円で販売されていた。
札幌から来た客「なめろうとか、普通にシンプルに焼いて。札幌では、こんなにいいものは食べられないから」 札幌初競りで高値
秋の味覚サンマ。今年は安く食べられると思いきや、翌日の札幌市中央卸売市場での競りでは1キロ40万円、1匹あたり、およそ5万7000円と2017年の過去最高額と並ぶ値がついた。
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■今年は一斉に漁解禁 初日から大型船も操業■今年は一斉に漁解禁 初日から大型船も操業
根室では1キロ626円なのに、札幌では1キロ40万円。一体どういうことなのか、背景を見ていく。
大漁の理由水産庁によると、2000年代のサンマ漁獲量は20万トンから30万トン台で推移していたが、ここ5年は5万トン未満と不漁が続いている。
こうした中、例年は小型船、中型船、最後に主力の大型船の順番で漁が解禁されるところを、水揚げの回数を増やすため今年は試験的にすべての船が一斉に解禁となっていた。
つまり、根室市花咲港での初水揚げは大漁だったわけではなく、初日から大型船も操業していたため多くなったという。
安かったワケまた、花咲港での初競りの値段は1キロあたり626円と、去年の200分の1以下になった。これは初日の水揚げ量が例年に比べて多くなったことに加え、台風7号の影響で高値で売れる本州に出荷できなかったことが要因だということだ。
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■サンマの小型化 原因は「暖水塊」■サンマの小型化 原因は「暖水塊」
では結局のところ、今年のサンマは大漁?それとも不漁?どちらなのだろうか。
サンマ予報水産庁が毎年発表している「サンマ長期漁海況予報」によると、今年の漁獲量は去年に続き「低水準になる」という。さらに、魚体も1匹あたり80グラムから100グラム。去年は100グラムから120グラムだったことから、それよりも小さいサンマになると予想されている。
原因は?原因として指摘されているのが「暖水塊」だ。通常、サンマは8月半ばごろから日本列島沿いに南下していく。
しかし、近年は北海道東から三陸沖にかけて平年に比べて海面温度が高い「暖水塊」が発生し、これを嫌ったサンマがルートを変更し、沖合(日本のEEZ外)に行ってしまっているという。
これにより中国や台湾など海外の漁船とも取り合う形になり、漁獲量が減ってしまっている。
また、沖合はサンマの餌(えさ)となるプランクトンなどが少なく、サンマの小型化が進んでいるという。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年8月20日放送分より)
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