(ブルームバーグ):パレスチナ自治区ガザの停戦を目指す取り組みは最終段階に近づいているとの見方を米当局者が示した。米国などの当局者らは戦闘の終結と、中東全体を巻き込む紛争に発展する可能性のあるイランによるイスラエルへの報復攻撃阻止を目指し外交攻勢を強めている。

カタールのドーハで2日間にわたって開かれたガザ停戦交渉は16日、来週末までにエジプトのカイロで協議を再開すると決定して終了。その数時間後、バイデン米大統領はワシントンで、「われわれは合意にかつてなく近づいている」と語った。

バイデン氏は交渉妥結を後押しするためブリンケン国務長官のイスラエル派遣を決めた。同長官は17日に米国をたつ予定。

米政府高官は停戦案の新たな条件について、人質解放と引き換えにイスラエルが部隊を移動させ、パレスチナの民間人が自宅に戻れるようにするという段階的なアプローチを伴うことになると説明した。これはバイデン氏が5月に公表した停戦案に近い内容。

イスラエル軍からの退避命令を受けて逃げ惑う避難民のパレスチナ人(ガザ南部で8月11日)

大きな不確定要素は直近の停戦交渉への参加を拒否しているハマスだ。米当局者は仲介国が協議の結果をハマスの代表者に説明したと述べ、当初考えられていたほど反対が明確ではない可能性を示唆した。

米国とエジプト、カタールの共同声明によると、ドーハでの交渉は「真剣かつ建設的」なものだった。仲介国がイスラエルとハマスの立場の隔たりを埋める解決案を提示したことで、次の交渉に向けた準備が整ったという。

声明によると、「この提案は過去1週間での合意分野を基礎とし、取り決めの迅速な実施を可能にする方法で残りの溝を埋めるもの」だという。

一方、ドーハでの交渉では7月に示された草案のいくつかの要素が考慮されなかったと、衛星テレビのアルジャジーラはハマス当局者の話として報じた。

原題:Gaza Cease-Fire Bid Nears Endgame as Blinken Heads to Israel (1)、Gaza Truce Talks to Continue After ‘Constructive’ Doha Round (3)(抜粋)

(米国務長官の派遣などを追加して更新します)

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