(ブルームバーグ):多角的な金融サービスを提供するB.ライリー・ファイナンシャルの株価が12日の取引で約50%急落。投資家に財務の健全性を正確に伝えていたかどうかを巡り、米国当局による調査が拡大していると伝わったほか、新たな評価損を計上すると明らかにしたことが嫌気された。

米証券取引委員会(SEC)は、同社が一部の資産に組み込まれたリスクを適切に開示していたかどうかを調査していると、事情に詳しい複数の関係者が語った。創業者のブライアント・ライリー氏と長年のビジネス・パートナーであるブライアン・カーン氏との交流についても情報を求めているという。カーン氏は米フランチャイズ小売り事業会社フランチャイズ・グループ(FRG)の元最高経営責任者(CEO)で、FRGはB.ライリーの主要な出資先の1つ。

この調査には、他のインサイダーによる不適切な取引の可能性の調査も含まれている。SECが調査を公表していないことから匿名を条件に同関係者らは述べた。資金繰りに窮し返済が疑われる個人顧客向け債権の会社間の移動にも当局は注目している。

ロサンゼルス、ワシントン、フィラデルフィアのスタッフが関与するSECの民事調査は、ニュージャージー州の連邦刑事調査とともに進められている。検察当局は、カーン氏が資産の大半を扱っていた投資ファンド、プロフェシー・アセット・マネジメントの2020年の破綻を調べている。

資金を失ったプロフェシーの投資家は、カーン氏がプロフェシーの資金を不正流用してFRGの経営権を握ったかどうかを訴訟で争っている。 このファンドの共同設立者は昨年11月、2億9400万ドル(約434億円)の詐欺事件で有罪を認め、検察に協力していると、ブルームバーグが以前報道した。

ライリー氏は12日の投資家との電話会議で、B.ライリーとカーン氏の取引に主に焦点を当てた自身と同社宛ての召喚状が7月にSECから届いたことを明らかにした。

カーン氏の代表はコメント要請に応じなかった。SECとニュージャージー州連邦検事局の代表者はコメントを拒否した。カーン、ライリー両氏とその企業は、当局からまだ訴追されておらず、何もないまま調査は終了する可能性もある。

B. ライリーは12日、FRG株の一部と関連するローン債権を評価損として計上するため、配当を停止し、損失が出る可能性を警告した。同社の声明によると、現金支出を伴わない評価損は約3億3000万ドルから3億7000万ドルになる見込み。

原題:B. Riley Faces Wider Probe on Risk Disclosures, Ties to Kahn (2)(抜粋)

--取材協力:Jennifer Surane.

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