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日経平均株価は5日、史上最大の下げ幅となりましたが、6日は一転、史上最大の上げ幅となり、終値は3万4675円となりました。乱高下となった株式市場に立ち尽くす投資家の姿もありました。

■“空前の乱高下”立ち尽くす人も

取引開始とともに値上がりした日経平均株価は、午前10時過ぎには5日より3400円以上高い、3万4900円台まで上昇しました。

5日は、銘柄の値下がりを表す緑に覆われた掲示板。6日は一面、赤色に。株価ボードの前には写真を撮る人や、呆然と立ち尽くす投資家の姿も。

個人投資家
「金〜月で200万くらい下がりました。長期的に見れば回復するだろうとは思っていたんですけど、きょう2000円戻しているので、まあ戻るかな」

NISA利用者
「NISAをやっていて。すごく下がって不安だったり、上がって喜んでいいのか分からない」

NISA利用者
「戻してきたんですかね。踊らされてるのか。こんなに浮き沈みがあることって普通なのかなと思いますね。ちょっとそこが違和感。普通のこと?これって?みたいな」

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■投資セミナーでは冷静 呼び掛け

■投資セミナーでは冷静 呼び掛け

名古屋市で開かれていたのは投資セミナー。歴史的な乱高下に冷静な対応を呼び掛けます。

投資セミナー講師 Fan 當山清章さん
「一喜一憂せずに中長期的な視点で投資を継続することが重要」

真剣な表情で耳を傾ける男性。退職金を投資に回そうと検討していて、初めて参加しました。

投資セミナー参加者(62)
「投資信託だとか株式の知識ゼロに近い。我々年寄りは“短期決戦”でやらないかん。どうしてもリスクが高い方に手を出さざるを得ないのかな」

こうしたなか、財務省・金融庁・日銀が緊急会合を開き、見極めが重要との見解で一致しました。

財務省 三村淳財務官
「緩やかに今後経済は回復していく、日本経済の見通し自体には何も変わりはない」

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■今後の値動き 専門家の見立ては

■今後の値動き 専門家の見立ては

2日連続で経験したことのない大幅な値動きを記録した株式市場。専門家は「数字を冷静にみていく必要がある」と指摘します。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 上席投資戦略研究員 大西耕平さん
「実は上げ幅は最大だが、上げ率(10.23%)は最大ではない。幅に極端にとらわれる必要はない。経済の実体に伴って株価が綺麗に動くと短期的には思わない方がいい。特に新NISAは今年から始まっているので、新しく投資を始めて半年くらいの方が結構多い。年初からじりじりと上昇が続いていたので『投資ってもうかるんだ』と感じていたところから、いきなり落とされた。心理的には不安になるのは理解できるが、ここで狼狽(ろうばい)する必要はない」

今後の値動きについては…。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 上席投資戦略研究員 大西耕平さん
「(米の)大統領選挙が終わった後、年末から年度末にかけて、また4万円まで戻っていくのは、企業が稼ぐ利益から見た株価の水準、あるいは(株価が)割高割安を判断する水準で見ても、4万円というのは十分到達可能だと思う。(日本の)マーケットのコンセンサスを形成する市場はアメリカ。日本株市場をみるうえで、アメリカの経済指標は景況感を含めて非常に重要」

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■乱高下の株価 この先は?

■乱高下の株価 この先は?

アメリカでは来週、景気の強さをはかる指標が発表されます。14日の『消費者物価指数(7月分)』と、15日の『小売売上高(7月分)』で、市場が「景気が弱まっている」と受け止めれば、株安につながる可能性もあります。

そして、最も注目されているのが、22日に開幕する『ジャクソンホール会議』です。アメリカ西部のリゾート地・ジャクソンホールで行われる世界最大級の経済シンポジウムで、毎年8月に開催されます。

この会議には、各国の中央銀行のトップや金融関係者らが集まり、その参加者の発言によって金融市場が大きく動いたことが何度もあるため、世界が注目しています。

最大の注目は、世界の金融市場のカギを握るアメリカ・FRBのパウエル議長による講演です。市場関係者のなかでは「FRBが9月に利下げをする」という見方がありますが、アメリカの景気悪化への不安が高まっているなかで「9月を待たずに“緊急利下げ”に踏み切るのでは」という観測も浮上しています。パウエル議長の発言によっては、市場が動く可能性もあります。

・カキの“生食用”と“加熱用”何が違うかご存じですか?「鮮度」ではないんです!実は・株価大幅下落で新NISA「損切り民」が続出?・高齢化団地の上下階「セット貸し」が満室 家賃5万円台で若い世代呼び込む・“安いバナナ”と“高いバナナ”…何が違う? 味ではない…高い値段の理由

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