お札を手に押し寄せる客。そこには、なんと1000円の5キロのコシヒカリ。なぜ、ここまで安いのでしょうか?
値上げに負けない!大手に負けない!激安ローカルスーパーに、なぜ客が殺到するのか、その秘密に迫りました。
■詰め放題…元が取れた状態からスタート
我先にと商品を袋に詰め込む多くの客がいるのは、都内のローカルスーパーの詰め放題イベントです。
詰め放題イベント この記事の写真参加費1000円ですが、箱入りのゼリー1000円相当が最初から入っていて、なんと元が取れた状態からスタートします。
詰め放題の商品商品は、通常百数十円から数百円程度のお菓子や飲料、カレーや鍋の素、ぜんざいなどがそろっています。
はみ出しても持ち運べればOKです。
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■名物イベント「バカ値市」 5キロの米が1000円■名物イベント「バカ値市」 5キロの米が1000円
ゑびすや商店東京・足立区にあるローカルスーパー「ゑびすや商店」では、物価高などで生活が苦しい中、客が助かる、青果や食品など激安商品が並びます。
夏にうれしい、そうめんが1袋105円。高騰中のサラダ油も1本321円など超お得な商品がずらりと並んでいます。
68円コーナー特に、この店で有名なのが「68円コーナー」。このコーナーすべてが68円。ペットボトル飲料や電球などの雑貨、食器まであります。100円ショップに対抗し、68円に設定しているそうです。
この日は月に一度の名物イベントの日、平日の正午にもかかわらず多くの客が集まっています。
バカ値市毎月1日に行われる、その名も「バカ値市」。なんと卵は1パック100円!さらに、バナナのたたき売りのように、現金販売で激安商品が次々と売られていきます。
唐鎌秀貢さんこの「バカ値市」を仕切るのが、会長の唐鎌秀貢さん、人呼んで「伝説の激安王」です。
コシヒカリ5キロが1000円この日、最大の目玉はなんと茨城県産のコシヒカリ5キロを1000円で販売します。
来店客「満足です。もっといっぱい買いたかった!」
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■安さの秘密の一つ「巨大自社倉庫」■安さの秘密の一つ「巨大自社倉庫」
60年前に激安の世界へ「激安王」と呼ばれる唐鎌会長は高卒後、米問屋ででっち奉公、24歳の時に独立し、60年前にこの店を立ち上げ「激安」の世界へ。
なぜ、これほど安くできるのでしょうか?
約300坪の巨大自社倉庫その秘密の一つが、この約300坪の巨大自社倉庫です。
唐鎌会長「問屋様、メーカー様が困ったものを買うとか、いろいろあんだよ」
在庫処理に困った「ワケアリ」「季節外れ商品」などを大量買い取りしても、巨大倉庫で保管。タイミングを見て販売できるといいます。
激安王の秘密さらに「賞味期限間近」商品は、大量に仕入れても「安さと信頼で売り切る」がモットーです。
そんな「ワケアリ商品」が、毎日のように会長のもとへ届きます。
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■会長が提示した金額に、頭抱える卸売業者「50銭を…」■会長が提示した金額に、頭抱える卸売業者「50銭を…」
この日、なじみの業者が会長室を訪ねてきました。
唐鎌会長「何持ってきたの?」 15年来の取引がある卸売業者
「とりあえず会長これ。トルコ産のスパゲティなんですけど、コンテナ2本ぐらい余っちゃったんですよ」 唐鎌会長
「困ったね」 トルコ産のスパゲティ
事情があり、トルコ産のスパゲティがなんと約17万袋もの在庫を抱えているといいます。
唐鎌会長「倉庫代だってバカにならない。すぐ30(万円)や50(万円)かかっちゃう」
倉庫費用も考え、すぐに売りたいという男性。通常180円程度で小売されているスパゲティ、赤字を避けるには「1袋80円で売りたい」といいますが…。
唐鎌会長「ちょっとあれだよ…(電卓見せて)」 卸売業者
「いや会長…」 唐鎌会長「45円でどうだ?」 唐鎌会長
「これ(45円)でどうだ?倉庫代払うより早くお金にしちゃったほうがいいですよ」
1袋45円に頭を抱える男性。すると…。
卸売業者「じゃあ会長48円で。もう腹決めました」 唐鎌会長
「47円までだ、2円アップだ」 卸売業者「せめて50銭」 卸売業者
「せめて50銭つけてくださいよ、47円50銭」 唐鎌会長
「経理に怒られちゃうよ」 卸売業者
「お願いします」 唐鎌会長
「分かった、いやーとうとう50銭まで商売になったか」 日本全国探してもどこもない 卸売業者
「なかなかこれだけの量を丁々発止しながら、いっぺんに買ってくれるところ日本全国探してもどこもない」
50銭にこだわったスパゲティは、あの68円コーナーで売るといいます。
唐鎌会長「みなさん競争激しいでしょ?それでお客さんが喜ぶ変わった商売をする」
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■激安のワンダーランド 秘密は「粗利ミックス」■激安のワンダーランド 秘密は「粗利ミックス」
スーパーマルサン続いて、埼玉県越谷市にあるローカルスーパー「マルサン」には長蛇の列ができています。
開店と同時に、店内は客であふれ返ります。
小松菜が3〜4束で21円、納豆3個パック75円などと、激安の商品が並びますが、特に客を引きつけるのは、なんとタイムサービスで鳥取県産の紅ズワイガニが1杯108円。わずか5分で完売しました。
常連客「いつも安いから安定してね」
「きょうはキャベツが安かったからお好み焼きしかないかな」
埼玉県越谷市にある、創業41年のローカルスーパーですが、広い駐車場はすぐに満車、県外から来る客もいます。
スーパーの激戦区実は、この周辺はまさにスーパーの激戦区。大手に負けない秘密は、毎日行われる激安イベントデーです。
10円セール突然、始まるタイムサービスに、月1回10円セールの日も。玉ねぎ100グラムが10円、魚肉ソーセージ、500ミリリットルのジャスミンティーも10円など、70種類以上の10円商品が並びます。
まさに激安のワンダーランドですが、なぜ、その安さが可能なのでしょうか?
激安ワンダーランドの秘密 マルサン 越谷花田店八木栄樹店長
「赤字のものも平気で売るんで、専門用語でいうと『粗利ミックス』といって『赤字部門』と『利益部門』のトータルで利益を出してる」
さらに、物価高騰の今、あえて行っているのが…。
客が喜ぶ商品を激安に 八木店長「お客様がよく購入する商品は激安で販売しております」
客が喜ぶ商品を激安にして、他の買い物もしてもらう。
常連客「マルサン来たら、こんぐらい買っちゃいますよ」
「安い!この調子で止まんなくなるんだよね。困ったわ〜」
「(Q.すごい量ですよ)そう?」
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■日配部門と鮮魚部門が“値下げ合戦”■日配部門と鮮魚部門が“値下げ合戦”
最大イベント「決戦は金曜日」この激安のワンダーランドで、最大のイベントが「決戦は金曜日」です。
店内の部門同士で一日の売り上げを競い合う特売イベントです。
日配部門と鮮魚部門が対決今回は乳製品やパンなどを扱う日配部門と鮮魚部門が対決します。
日配部門の担当は冷静沈着、チーフの水間義男さんです。
水間チーフ「最後さしきって勝ちたいなと思ってます」
一方、鮮魚部門担当は元気がモットー22歳の阿部風花さんです。
阿部さん「前回負けてるんで今回勝てるように頑張ります」
今回は秘策があるといいます。
金曜午前10時、対決の火ぶたが切られます。
土用の丑の日を前に、うなぎ1尾755円や鮭の切り身10切れ1080円など、自信の商品を並べる鮮魚部門ですが、開店15分後、早速仕掛けます。
しらすを通常の半額にタイムサービスで、しらすを通常の半額に、1パック150円程度です。早速、客が集まります。
通常130円の白玉ぜんざいを…すると日配部門も、通常130円の白玉ぜんざい1個39円(税込み43円)。続々と客たちが手に取っていきます。
タイムサービスさらに、通常税抜き259円の牛乳を169円(税込み183円)で販売します。
そして、お昼に中間発表が行われました。
中間発表 八木店長「途中結果、日配8万円優勢となっております」
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■互いに切り札 勝利は?■互いに切り札 勝利は?
優勢の日配部門は、さらに…。
水間チーフ「この後しっかり売り上げが取れる切り札がありますんで」 冷凍食品を55%引き
午後3時、その切り札を出します。冷凍食品を表示価格から半額以下の55%引きにしました。えびドリアは3食で税込み384円。そして焼きおにぎりは、税込み248円という激安です。
冷凍コーナーには客が殺到します。保存ができるため、まとめ買いが多く、売り上げを伸ばす作戦が的中です。
午後5時、鮮魚部門も秘策に出ます。
ビンチョウマグロ生のビンチョウマグロを、この決戦のために仕入れていたのです。人気のマグロで勝負をかけます。
3品半額ビンチョウマグロは、通常の半額、1柵200〜300円程度。さらに、しらすとたらこもあわせ、3品半額という激安ぶりです。
待ってましたとばかり、この日最高の人だかりになります。そして、ビンチョウマグロがわずか3分で完売しました。
阿部さん「すごい!あんなすぐなくなると思わなくて」 来店客
「時間ごとに安くなってたりするのもあると、来てみて楽しいですね」
午後7時に対決終了。果たして勝ったのは日配部門か?鮮魚部門か?
日配部門の勝利 八木店長「それでは結果発表。今回は日配チームの勝ちです」
最後に盛り返した鮮魚部門ですが、およそ7万円の差で日配部門の勝利となりました。
八木店長「自分たちが楽しむことによって、お客さんも楽しんでいただける。そういう相互関係になってますね」 この記事の写真を見る
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