(ブルームバーグ):1日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=150円付近と前日夕からさらに水準を切り上げて推移。日本銀行の追加利上げをきっかけとした円買いの流れが海外時間も継続。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で、早ければ9月にも利下げを行う可能性が示され、一時149円台半ばと4カ月半ぶりの高値を付けた。
三菱UFJ銀行米州金融市場部の藤田大志調査役(ニューヨーク在勤)は、FOMCはよりハト派な内容を期待した市場にとっては失望的でドル買い戻しで反応したが、パウエル議長の会見で「言葉の端々に9月会合での利下げをメインシナリオとして考えていることが再確認でき、米金利低下、ドル売りの流れになった」と説明した。
植田和男日銀総裁が利上げに前向きな姿勢を示したことで、海外時間も円高の流れが続いた。FOMCの声明文公表後に151円台まで上げ幅を縮小する場面が見られたものの、パウエル議長の発言を消化する中で、149円60銭台まで値を切り上げた。
藤田氏は、日銀が従来のハト派姿勢からタカ派にシフトしつつあることは確認できたとした上で「さらに極端にタカ派になることは現状の国内経済を見ると考えづらく、日銀関連の材料で円買い方向のサプライズは起こりづらい」と予想。円相場の先行きにとっては、米国の年内2回の利下げ観測が経済指標を通じて3回にシフトするかどうかが重要だと語った。
週内は日本時間1日夜に7月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、2日に7月の米雇用統計の発表が予定されている。
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