日銀がきょう、あすと、「金利」を引き上げるか決める会合を開いています。引き上げれば住宅ローンの金利が上がるほか、家計を直撃している超円安が少しやわらぐ可能性もあります。
夫
「吹き抜けって欲しいんだっけ?」
妻
「できればね、明るくなるからいいよね」
都内の住宅展示場を訪れた、こちらの夫婦。戸建ての購入を検討していますが、大きな買い物だけに気になるのがローンの「金利」です。
夫
「(返済期間が)30年とか超えてくるので、予測できない。変動(金利)は安いんですけど、変動のリスクを取るのは結構きつい」
人気の「変動型」は、今のところ「固定型」よりも金利が低いものの、半年ごとに見直されるので上がる可能性もあります。さきほどの夫婦は、それを見据えて、「変動」と「固定」を組み合わせるミックスローンを考えています。
夫
「金利は上がると言われていたので、上がることを前提に考えている」
記者
「現在、0~0.1%程度としている短期金利を引き上げるのか? その議論が、ここ日銀で始まりました」
日銀は、物価の上昇率が見通しどおり2%に近づけば利上げする考えですが、内部では「条件は満たしている」との見方が出ています。
利上げをすれば、5ポイント以上も開いているアメリカと金利差が縮まり、“超円安”が少しやわらぐ可能性も。円安は日銀がとってきた大規模緩和の副作用ですが、さすがに内部でも「経済全体にマイナスだ」と危機感が高まっているのです。
こうしたなかで…
「本日は住宅ローンの相談予約、ありがとうございます」
こちらの銀行は14年ぶりに「変動型」ローンの基準金利を0.2%引き上げます。そうすると、お客さんの足が遠のく可能性がありますが…
ソニー銀行 木村達彦ローン企画部長
「(Q.葛藤はなかった?)かなりありました。金利が上がっていることをきちんと感じていただいていると理解しています」
日銀の判断を見越して動き出しているわけですが、当の日銀では、物価の上昇に賃金が遅れをとるなかでは「消費のブレーキになる」と利上げに慎重な声も根強いのが内情です。
「異次元緩和」のツケが重くのしかかるなか、金融正常化の歩みをどう進めるのか…
日銀は悩ましい判断を迫られています。
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