函館市などで調剤薬局を運営する「アサヒ調剤薬局」と「ハーベリィ科学研究所」が、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、保全管理命令を受けたことが分かりました。民間の信用調査会社・帝国データバンクによりますと、負債総額は両社合わせて約37億5000万円です。

 「アサヒ調剤薬局」は、函館市で初の調剤薬局として1981年3月に設立。医療機関が保険者に請求する診療報酬の明細書を市内で最初に電子化した薬局として知られています。函館市を中心に11店を経営していて、2024年2月期の売上高は14億8000万円を計上しました。

 「ハーベリィ科学研究所」は調剤薬局として1996年3月に設立。函館市からスタートし、その後札幌市にも進出しました。函館市内でビルを買収するなど業容を拡大し、2021年8月期の売上高は7億5384万円を計上しました。

 「アサヒ調剤薬局」は2020年6月、「ハーベリィ科学研究所」は2023年7月に全国で調剤薬局を展開する京都市の「寛一商店」の傘下に入りました。

 「寛一商店」は近年、調剤併設型のドラッグストアが台頭するなど競争の激化や薬価引き下げの影響から収益が悪化。新型コロナの影響で医療機関の受診控えが進み、売り上げは大きく減少していました。

 業績改善の見通しが立たなくなったことから、「アサヒ調剤薬局」と「ハーベリィ科学研究所」を含むグループ9社の会社更生法の適用を申請しました。負債額は9社で計111億5000万円で、そのうち「アサヒ調剤薬局」は29億円、「ハーベリィ科学研究所」は8億5000万円です。

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