(ブルームバーグ):30日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円ちょうど付近と前日夕から小幅下落して推移。海外時間はドルが底堅く、円は上値の重い展開になったが、日米の金融政策決定を31日に控えて積極的な取引は手控えられた。日本銀行の追加利上げに対する警戒感が根強く、東京市場では実需の売買も加わりながらもみ合う展開が予想されている。

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、ドル・円は日米の金融政策決定を控えて方向感が出づらい状況が続いているものの、「日銀が将来を見通す形で早めの利上げに踏み切るリスクはあるとみており、それなりに円高方向のインパクトを与えるが可能性がある」と警戒している。

29日の円相場は、東京時間にリスク選好の流れから売りが先行した後、輸出企業などのドル売り・円買いや日銀決定会合を控えた短期円売りポジションの解消の動きで、一時153円ちょうど付近まで上昇した。海外時間はドルが上昇する中で154円台前半まで売り戻されたが、同水準では円が下支えされた。

30日の東京市場では、日銀の金融政策判断に対する不透明感が強く、積極的に動きづらい状況が続きそうだ。円売りポジションの巻き戻しには一巡感が出ている。一方で、日米株高でリスク環境は改善しているが、低金利の円を売って高金利通貨を買う円キャリー取引の再開には慎重な雰囲気が広がっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)では9月の利下げが示唆されるとの期待もあるが、当局が判断を下すには早いとの見方もある。

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