サッカー歴6年の娘の一日は、元女子日本代表の澤穂希さんの名言を日ごとに記載した暦をめくることから始まります。娘の生活でサッカーはあらゆることに優先しますが、中学生ですでに夢中になれるものがあることに、親の私でさえもうらやましく思います。

 サッカーは選手や試合結果など、まだまだ男子が注目されがちです。一方で沖縄には女子サッカーの活性化に尽力されている方が多数いて、そのおかげで娘を含む女子がサッカーへの情熱を持続することができています。

 県内の女子小学生は、部活動や地域のクラブチームで男子に交じってプレーしますが、チームでは保護者や指導者が性別を問わずサッカーを楽しむ素地を作っています。また、那覇市サッカー協会の有志の方々は、女子児童・生徒に経験を積んでもらおうと、週末にコートを確保し交流の場を提供しているほか、希望者を募ってチームを編成し市内外の大会に出場する機会を設けています。娘はこの時期にサッカーを存分に楽しみ、今に至ります。

 中学生以上では、部活動や県内各地で活動する51の女子チーム(2024年3月末)の指導者やスタッフ、スポンサー企業が選手の熱意に応えるべくサッカーができる環境を整えてくれています。

 クラブチームに所属する娘は経験豊富な指導者の下、サッカーの奥深さを日々学んでいます。県サッカー協会では大会運営やトレセンコーチの指導による技術力向上など女子選手を手厚くフォローしています。

 女性の活躍は、経済成長の好循環の実現といった文脈で語られ、企業や行政は登用の目標値などを掲げます。そのような状況に慣れつつあった私には、自発的かつ純粋な気持ちで女子サッカーをサポートする方々とその取り組みがとても新鮮に映ります。

 パリ五輪が開幕しました。県内の女子サッカーを支える方々に感謝し、読者の皆さまが女子サッカーに関心を寄せることを期待して、なでしこジャパンの熱戦を応援したいと思います。(沖縄振興開発金融公庫調査部金融経済調査課長)

次回は中曽根直子氏(浮島ガーデン店主)です。

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